アブノーマルと【黒】 (ページ16)

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メイクルームに入って、座ると、いつものようにメイクさんがはじめてくれた。

全員で四人おって、男のひと二人が俺とすばる、歌川さんがヒナについて、もう一人おった女の人はアイロンあっためたりしとった。

歌川さんは、一番はじにおるヒナについて、淡々とメイクを進めとった。

……数分で気付いたこと、俺、人見知りやけど、がんばって聞いてみようか。

黒「あの、み、皆さんは、チームでメイクの仕事とか、してはるんですか？」

「あっ、はい、そうです」

少し驚いたようやったけど、俺についてた男の人は気前よく答えてくれはった。

紫「いっつもなんですか？」

「場合にもよりますねー。現場の雰囲気とか、得意なのに合わせたりする時もありますし」

すばるについてたメイクさん(この人も男)が気前よく教えてくれた。

でも相変わらず、歌川さんはしゃべらんし、

紫「ヨコ、いっつも喋らんのにいきなりやったからびっくりしたわ」

黒「ま、前もみなさんと仕事したことある気がして」

赤「俺、ぜんっぜん忘れとったわ」

黒「まあ、すばるはな」

赤「何やと」

「あははっ。一回だけ関ジャニさんとお仕事させてもらったことはありますよ」

歌川さんじゃない方の女の人が答えた。

で、次の瞬間、俺は信じらんないことに気がついた。

驚くことに、このメイクさん四人、今をときめくスーパーモデルたちや!?

びっくりしすぎて、声が出えへんかったけど、俺の表情に感づいたらしいメイクさんたちが、パパッとメイクを完成させて、ぐうの音も出えへんうちに楽屋に戻ることになった。

二人は何も気づいてへんのか、フツーにありがとうとか言うて出ていく。

歌川さんは知らんぷりやったけど、俺は、担当してくれた人に、

黒「収録終わり、もし時間あいとったらやけど、ヒナ…村上についてた人、呼んでくれへん？」

と小声で言って出た。