実井：恋とは【Ma?塩化ナトリウム様リクエスト】 ページ43
A
そう名乗る彼女と出会ったのは白い雪が降る寒い日のことだった。
軽装で、人の流れなどないかのように一人ぽつねんと立ち止まって椿を眺める彼女の頬は、椿に負けないぐらい赤かった。
だから、なのかは知らないがつい話しかけてしまった。
「寒くないんですか？」
「寒いですよ、でも、雪に埋もれた椿の方が寒そうで寒そうで」
「…良ければ、これ」
「マフラー？」
「僕は椿を寒そうだとは思わないけど、貴女の事は寒そうだとは思いました…体を冷やすのは良くないですよ」
「…お優しいんですね」と、笑う彼女の笑顔は、他の人とは違うように思えた。
それから何度か彼女とあの椿の木の前で会った。
互いの事を少しずつ話して、彼女は近くの写真館の一人娘だという事がわかった。
彼女はどこか儚げな美しさを持つ女性だった。
「もう雪が降る季節ですかぁ」
「そうですねぇ」
「もう一年前なんですねぇ、私達が出会ったのは」
「ええ、寒そうでしたから、見ていられなくて」
「…実井さん、一つ教えて欲しいことがあるんですが」
「なんです？」
「『恋』について」
彼女は、一年前の椿の花を思い出させる色をしたマフラーをはためかせながら尋ねてきた「『恋』とはなんですか？私、理解できなくて」
それから彼女とは会うことはなかった。
僕が研修を終えて、ついにスパイとして活動したからだ。
実井：恋とは【Ma?塩化ナトリウム様リクエスト】→←小田切と佐久間でお送りするお知らせ（見たらいいよ）
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 97人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
御冷ミァハ - 〈harmony/〉パロで波多野お願いします(>ω<) (2016年6月4日 22時) (
レス) id: 274ede080a (このIDを非表示/違反報告)
深夜放送 - しえんたさん» こんにちは！喜んでいただけて嬉しいです！次は続編で気軽にリクエストして下さいね〜 (2016年5月22日 19時) (レス) id: ae86f31621 (このIDを非表示/違反報告)
しえんた(プロフ) - こんにちは〜！リクエストありがとうございました(*^^*)読みながらニヤニヤしましたwまた宜しくお願いします(*´ω｀*) (2016年5月22日 14時) (レス) id: de39b7d707 (このIDを非表示/違反報告)
ハイセ - どのお話もすごく素敵ですね!あの、リクで田崎さんの激甘お願いしてもいいですか？ (2016年5月22日 0時) (レス) id: aa76fc5df9 (このIDを非表示/違反報告)
深夜放送 - ayaさん» こちらこそリクエストありがとうございます〜！次はぜひ続編でリクエストして下さいね！ (2016年5月20日 20時) (レス) id: ae86f31621 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：深夜放送 | 作成日時：2016年5月5日 14時
