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#19 ページ19







恥ずかしかった

それはそれはもう、色んな意味で恥ずかしかった









「みっちゃん!」

「みっちゃん大丈夫?」

「うるせっ!電車の中では静かにしろお前ら」

「ごめん…!」







電車の中で転びかけて、たまたま抱きとめられて

こういうのって漫画やドラマの中だけだと思ってたのに

どうして今日はこんなことばかり起きるかな

いやもう今はそれどころじゃない

どこを見ればいいのかわからない

ちょっと前にいる頭がツルピカのおじさん?

かわいい顔のお姉さん?

それとも









「顔色悪ぃな、本当に大丈夫かよ」

「平気です…」








サラサラの髪がこっちの顔にかかりそうなくらい

至近距離にいるこの男の顔を見るべきか?

いや、そんなわけがない

まさかあの時、自分もこういう選手になりたいと思わせてくれた存在とこんな形で出会ってしまうとは

もっと違うことをきっかけに出会ってみたいものだったなと今なら思う












「(この人、あの時見た人とよく似てる)」








具合が悪すぎて正直それどころじゃないAが

ギリギリのところで助けてくれたうえに

人混みから少し離れた出入口付近の手すりの近くまで誘導してくれた怖いほど気の利く男子高校生が

あの三井だということに気づいたのは少しだけあとの話

この瞬間のAはあの時逆転劇を見せた神奈川の中学MVP三井寿に何となく似てる、程度の認識だった

背の高い彼が前に立ってくれているおかげで

先程のように人と人に押されまくることはなくなった









「どっからどう見たって平気じゃねぇだろ」

「ちょっと待ってろよ、あと少ししたら座らせてやるから」








あの時手を離してしまった部活の荷物は

自分のスポーツバッグは床に置いた彼の手に握られている








「(こんなに優しい人、いるんだな)」








男子高校生なんてみんな似たようなもんだと思ってた

電車内で子供のようにはしゃいだりとかそんなん

幼馴染みは電車で即眠りに落ちるようなある意味困ったやつだったけど

人の優しさが心に染みるとはこういうことかと理解した










「え、泣いてんのか!?」

「泣くほど辛いなら言えよな…あー、もう少しだけ耐えられるか?耐えてくれよ頼むから」








何で涙が出たのかは覚えてない

覚えていたのは

泣いた私を見て慌てて腕を掴んだ彼と

それを真似するように腕を掴んだことだけ

他所から見たらちょっとおかしな光景だったかも

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設定タグ:SLAMDUNK , 三井寿 , 流川楓   
作品ジャンル:アニメ
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ピトリコ(プロフ) - 高校生ならではの会話が凄くリアルで惹き込まれました!これから最新話まで一気に読破します!素敵な作品に出会えてよかったです。 (2023年3月31日 20時) (レス) id: 36bff0e057 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - こちめるさん» 無理せず頑張って下さい!更新楽しみにしてます^^ (2023年2月10日 22時) (レス) @page50 id: 27c27c579a (このIDを非表示/違反報告)
こちめる(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとっても嬉しいです🥲 (2023年2月10日 0時) (レス) id: b38c8404b7 (このIDを非表示/違反報告)
みみ(プロフ) - いつも楽しみにしてます^_^ (2023年2月9日 10時) (レス) @page50 id: 27c27c579a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こちめる | 作成日時:2023年1月29日 20時

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