オリのマネージャーさん 2【オリックス】 (ページ9)

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颯一郎side

いつぶりかってくらい、全速力で走って

丁度球場の出入口付近で見覚えのある後ろ姿を見つけた。

「Aさん！」

彼女に聞こえるくらいの声量で叫ぶと、

目を丸くして驚いた様子の彼女がこちらに振り向く。

「山﨑選手…」

ようやく足を止めたAさんのそばに駆け寄って

「Aさん、ちょっと来てもらっていいですか？」

「…え？」

詳しい内容はサプライズだから言えないけど…

「大事な用なんです。僕と一緒に来てください！」

「ごめんなさい…。私これから舞洲に用があって…」

「じゃあそっちの方には後でちゃんと連絡するんで！

Aさんにどうしても来て欲しいんです！」

俺はアホだからAさんを納得させることは出来ない

だから押して押しまくる作戦だ

「あの…」

「？」

困った表情の彼女が、小さく口を開いた。

「その件＿＿＿本当に私じゃないと、ダメですか？」

「え？」

何言ってるんですか、と笑い飛ばそうとしたけど

そう話したAさんの目には不安の色が見えて

とてもそんなことは出来なくて

「私以外にも…スタッフの方やコーチの方はたくさんいらっしゃるじゃないですか…。

だから別に、私じゃなくても＿＿＿」

このAさん、以前も見たことがある気がすると思えば

オリックスに来たばっかの、周りの目に怯えていた時だ

「Aさん」

「っ、」

彼女は一体、何に怯えているのだろう

彼女に一体、何があったのだろうか

まぁ何にしても……

「山﨑選手、！？」

ふわりと、出来るだけ優しく彼女を包み込んで

「大丈夫です。大丈夫だから…

俺らの元から＿＿＿離れないで、」

俺はアホだから

考えずに、すぐ行動に出る

なんの捻りもない、ストレートな言葉でしか伝えられない

それでも、Aさんの心を少しでも軽くできるなら

何かためになるのなら

彼女が俺たちの前から消えてしまうより

全然そっちの方がいい

.

正尚選手のメジャー挑戦、寂しいけど応援します！
ファンフェスが今までないくらい人気すぎて、もうオリがオリじゃないみたい…笑