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Aside
「やっ…!!」
一気に鳥肌が立ち、反射的に声を出してしまった。
するとその後すぐ、左頬にジンジンと痛みが走る。
「黙れっ、声を出すな!」
「っ…」
平手打ちされた事実と、姿は見えないが威圧を感じて、恐怖で声にならない声が出た。
そして今度は、男性は私の両手首を片手だけで掴み、完全に私の身動きを封じた。
もう片方の手が私の胸辺りのボタンに沿わされ、上から一つずつ外されていく感覚を、声を出さないように泣きながら感じることしか出来なかった。
私なんかの力じゃ、到底敵わないから抗いようがない。
そう悟って、目を思いきっり瞑って必死に耐えていた時
ドアが強い勢いで開く音がした。
すると即座に男性自身が私から離れ、ドアの方に駆けていった。
「ユイ何かあった…ってお前はっ、!」
男性の焦りが混じった大声が部屋に響き渡る。
しかしこの時の私は、男性が何を口にしたのかなんて考える余裕もないほど、恐怖で頭が真っ白になっていた。
しばらく荒れた呼吸を整え、気持ちを落ち着かせて、
震える手でボタンを直そうとすると
「…あなた誰ですか。関係者じゃないですよね?」
男性の荒れた声の後に、
気味の悪いほど落ち着き払った静かな声がした。
静かだけど、不思議なことに
私には鮮明に聞こえた
間違えるはずがない
いや、確信しているというよりも
そうであって欲しい、という
私の切なる願いに過ぎないのかもしれないけど
僅かな勇気と、声を振り絞って
「___たす…けて、」
蚊の音ほどにしか聞こえないこの声が、
彼に届いたかは分からない。
だけど今の私には、何もかも
願うことしか出来ないから
.
更新遅くなりすみません!この時期忙しくてなかなか更新出来ませんでした。待たせてしまい申し訳ないです!汗
(そして甲子園今年も盛り上がってますね!
自分の推し高校はもちろん、全学校応援しています!!🔥)
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SFF(プロフ) - shireyさん» そう言っていただけて感謝感激です!🥺 (1月31日 9時) (レス) id: dc6e40d3df (このIDを非表示/違反報告)
SFF(プロフ) - Lemon!?さん» よかったです!ありがとうございます!🥲 (1月31日 9時) (レス) id: dc6e40d3df (このIDを非表示/違反報告)
SFF(プロフ) - さやさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます🥹🥹 (1月31日 9時) (レス) id: dc6e40d3df (このIDを非表示/違反報告)
shirey(プロフ) - お話待ってました✨✨🥺🥺🥺 (1月30日 19時) (レス) @page40 id: dfc3189701 (このIDを非表示/違反報告)
Lemon!?(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!続き待ってます😆 (1月11日 3時) (レス) @page38 id: 1d8fe9d267 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SFF | 作成日時:2022年10月3日 19時