オリのマネージャーさん 2【オリックス】 (ページ19)

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Aside

「なんで私を…」

そんな大切な場所に、連れて来てくれたのか

「なんでかって言われると、

正直自分でも漠然としていてわからないです。

…直感ってやつかな。笑」

「直感、？」

「吉田さんだけに共有したいって、直感で思ったんです。

この感動は勿論ですけど…

＿＿＿『自分だけの秘密』を」

私にだけ、そんなことを思ってくれた？

それこそ、その理由を知りたい

するとこちらを向いた彼の瞳に、顔を赤らめた私が写って

「俺が、唯一信じられる女性(ひと)だから」

「山本選…」

そこから全てがスローモーションに感じて

ゆっくり近付いてくる彼の顔

私の思考は停止して、この状況を呑み込めていないけど

自然と閉じていく瞼

何も見えない中、彼の気配をすぐそこまで感じた時だった

ﾌﾞｰﾌﾞｰ

「「！！」」

二人の間に鳴り響くバイブ音

その拍子に目がバッチリと開いて、

すぐ目の前にある顔にびっくりして反射的に距離をとる。

「ご、ごめんなさいっ、！」

「い、いえ…ちょっとすみません」

私ったら…一体何をしようとしてたの？

よくよく思い返すと、今までで一番顔が茹で上がるほどの

恥ずかしい光景が浮かんできて

私バカだ…信じられない…

熱くなる顔を冷たい手で覆いながら、

山本選手の方をちらっと見る。

「もしもし…。…あぁ、分かりました。では明日お願いします。…はい、ありがとうございました。失礼します。

すみません、球団からの電話で…」

球団、というワードで、明日も普段通り仕事があることを思い出して

「い、いえ…。

あ、明日もありますし…そろそろ帰りますか…？」

「あぁ…吉田さんは仕事ありますもんね。

こんな遅くまですみません。じゃあ帰りますか、」

会話は出来るものの、やはりお互いぎこちなくて

これからも彼といつも通り接せられるのか、という不安と

『あの時』の彼の行動に対する疑問で、頭はいっぱいだった

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