オリのマネージャーさん 2【オリックス】

60 ページ16

Aside






「…ではお写真の方は、お会計の際にお渡し致しますね」


「ありがとうございます」




やっと撮り終わり、自然と離れる距離。


安堵感と少しの寂しさを感じた。






ウエイターさんがいなくなった後、


食べるのが勿体ない程素敵なケーキを頂いていた時








「…？」




ふと前から視線を感じて顔を上げると、


山本選手がずっとこちらを見つめていて




お互いの目と目がばちっと合っても、変わらない眼差し






…非常に食べづらい









「……あの、私の顔に何かついてますか…？」




「ん？あぁ…すみません。笑


吉田さんがあまりにも美味しそうに食べるから、



つい見蕩れちゃって」




「見蕩っ…！？」






思わぬ返答に、持っていたフォークをお皿の上に落としてしまった。




み、見蕩れちゃってた…って、どういうこと…！？







「実を言うとこのケーキ、俺が店の方に無理言って、

俺のアイデアから作ってもらったものなんです」



「山本選手が…？そ、そんなことも出来るんですね…」






さすが一流プロ野球選手……こういうところも普通じゃない








「"特別に”ってやつですけどね。笑」


「そんなわざわざ…」







私の…ために、？







「だから作ったのは俺じゃないですけど、

こんなに美味しそうに食べて貰えるとは思わなくて……嬉しいです」








そう言って目を細めて優しく笑う山本選手に




ドキッと心臓が高鳴る音がした








「……」


「……」







そして心做しか雰囲気が甘くなった気がする
















そんな雰囲気で、二人して何も言葉を発さない中、



山本選手がゴホンと咳払いをして



















「改めて……









お誕生日、おめでとうございます。







＿＿＿…生まれてきてくれてありがとう」









最後に彼が何か呟いたような気がした




……気のせいかもしれないけど





.

WBC先行発表されましたね〜
山本選手やっぱり選ばれていて万々歳！
歴代最強とも言えるメンバーで臨むWBCが今から待ち遠しいですね！笑

61→←59

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す