オリのマネージャーさん 2【オリックス】 (ページ11)

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Aside

「遅くなりましたけど…少し来てくれますか？」

「…わかりました」

「じゃあ早速なんですけど、これ付けてください」

「え？」

そう言われ、いきなり差し出されたのは目隠し

用事の内容教えてくれないから何が起こるのか分からない中、突然これをつけろって…

「あ、！べ、別に変なことはしないんで！

とりあえず付けてくれませんか…？」

焦っている彼の言葉がとても嘘だとは思えなくて

少しの不安と緊張の中、目隠しをした。

そのまま山﨑選手に優しく手を引かれ、どこかに連れて行かれる。

しばらく引かれたまま歩くと、不意に足が止まった。

目的地に着いた…のかな

「Aさん、目隠し取っていいですよ」

静まり返る空間で山﨑選手の声が聞こえ、

ドキドキしながらそっと目隠しを外す。

その時だった

「「「「ハッピーバースデー！！！」」」」

一瞬でパッと明るくなる視界

大きく響き渡るクラッカー音と、大勢の声

「え…？」

固まる私の視界に広がったのは、

『A 誕生日おめでとう』と大きく書かれた幕に

華やかに飾り付けられている部屋

笑顔を浮かべている、選手の皆さんで

「吉田Aさん、誕生日おめでとうございます」

未だ状況が飲み込めず、固まる私の前に

正尚さんがにこっと笑いながらやって来て

手に抱えていた大きな花束を渡してきた。

「誕生日…」

おめでとう…って、私に対して？

そこでやっと、今日が自分の誕生日だということに気付く。

「自分の誕生日くらい忘れるなよ〜笑」

「頭の整理がついてないだけやろ。笑」

「おめでとうー！！愛しのマイエンジェルー！」

「Aさん今日も大好きでーす！」

所々飛び交う賑やかな声

その途端、今度はどよめき出した。

「え！？Aどうした！？」

「なんで泣くんだよぉ〜」

「…泣き顔まで天使やん」

「おい」

ここでも言われてまた気付く。

自分が無意識に泣いていたことに

「皆さんっ…、ありがとうございます、」

「Aさんまた泣かないで〜」

ぽんぽんと優しく頭を撫でてくれる山﨑選手

「おい颯一郎？『また』ってなんや？」

そんな彼の頭をはたく周平さん

やっぱり『オリックス(ここ)』が好きだなぁ

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