第8話 ページ8
.
部屋に染み付いたタバコ臭い部屋。
遮光カーテンの隙間から、太陽の光が差し込む。
隣に目を向ければ、私に背を向けて寝ている男の人の背中があった。
すーすーと聞こえる規則的な寝息に、ほっと胸をなでおろす。
私はその人を起こさないようにそっとベッドから抜けて、床に散らばった衣服を取って腕を通す。
サイドテーブルにお金を置こうとした時、ガシッと腕を掴まれた。
「！」
慌てて男の方を見れば、私を睨みつけるように見る目と合う。
「…お前さ、昨日何してたの？」
ぎりぎりと音を立てて鳴る骨。
…遅刻したことを怒っているのだろうか。
「昨日は…ちょっと用事があって−」
そう答えた時、思いっきり腕を引かれた。
「何、その用事、って。俺との"約束"より大事なモンなわけ？」
私の上で、私を見下ろす男。いつの間にか両腕を押さえ込まれてしまった。
「…」
何も答えないでいると、男はしびれを切らしたのか大きく舌打ちをする。
「何？新しい男でもできたわけ？」
新しい、男−。そう言われ、脳裏をよぎるのはあの犬みたいな可愛らしい笑顔の青年。
でも、あの青年は−違う。ただの…ただの…？
「…図星かよ」
男はそれだけ言うと私の上から降りる。そして、ベッドの縁に腰掛けた。
続く (更新停止中)
お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←第7話
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SORA(プロフ) - だいやさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて、とても嬉しいです(T T) 更新頑張ります！今後もよろしくお願いいたします！ (2019年6月17日 7時) (
レス) id: 04a1197c90 (このIDを非表示/違反報告)
だいや(プロフ) - いつもSORAさんの作品楽しみにしています！今回の作品めっちゃ好みです。(笑) もう既に続きが読みたくてうずうずしています(笑) 更新頑張ってください応援しています！ (2019年6月12日 22時) (レス) id: aec0e9d075 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SORA | 作者ホームページ：https://twitter.com/SORA_39xx
作成日時：2019年6月8日 5時
