第5話 ページ5
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「…そう、だね。帰ろっか」
この青年と別れたら、こいつの元へ向かえば良い。
今はこの場を、ただ穏やかにやり過ごそう。
「…いーや、前言撤回!
俺、お姉さんともっと遊びたい!ゲーセン行こ!」
驚く私の腕を引いて、夜の街を走り抜ける白髪青年。
「えっ、ちょ…私、この後に用事が…」
「いーよ!そんなの!」
いや、私が良くないんだって…!
腕を振り払おうにも、思ってたより力が強くて解けない。
困惑する私を横目に、青年は夜の街を駆け抜けた。
*
–– ゲームセンターの中
「お!これ、俺の好きなキャラクターなんだ!」
2人で店内を見て回っていると、白髪青年はとある景品が置かれている台の前ではしゃぐ。
財布からお金を取り出し、500円玉を飲み込ませてゲームスタート。
不安定な動きをするアームをはらはら見守りながら、ぬいぐるみの位置を移動させた。
「今日は何円で獲れるかなー!」
無邪気な少年。
今の彼を一言で表すなら、まさにこの言葉がぴったり。
だいたい1200円ぐらいでぬいぐるみをゲットした。
景品獲得後に、やたら嬉しそうな顔でぎゅっとぬいぐるみに抱きつく青年。母性をくすぐられそうなほど、かわいい。
「クレジット余ってるし、お姉さんも何かやってこ! なんなら、俺が景品獲るし!」
やけに自信満々な青年。私は、帰る理由を考えるのが面倒くさくなった。
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SORA(プロフ) - だいやさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて、とても嬉しいです(T T) 更新頑張ります!今後もよろしくお願いいたします! (2019年6月17日 7時) (レス) id: 04a1197c90 (このIDを非表示/違反報告)
だいや(プロフ) - いつもSORAさんの作品楽しみにしています!今回の作品めっちゃ好みです。(笑) もう既に続きが読みたくてうずうずしています(笑) 更新頑張ってください応援しています! (2019年6月12日 22時) (レス) id: aec0e9d075 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SORA | 作者ホームページ:https://twitter.com/SORA_39xx
作成日時:2019年6月8日 5時