夕立【ジュン】 ページ5
とってもキラキラした笑顔を向けてくれてた
他の友達よりも僕を見てくれてた
「ジュナってよく笑うしはしゃぐけど、あんまり表に立って何かすることないよね」
僕に初めてそう言ったのも君で
誰にも言われたことはなかったけど、自分では自覚してたこと
目が合えばあのキラキラした笑顔を向けてくれて
僕が期待するのには十分で
僕が君を好きになるのには十分な理由で。
一緒に帰るようになった時は本気で嬉しかった
頑張って声かけてよかった
まさか家が三つ分しか離れてないなんて夢にも思わないじゃん
けれど。
「Aと付き合うことになりました〜〜！」
「ちょ、スニョンやめてよ、恥ずかしいでしょ！」
今は帰りのHR
教卓の上でそう叫んだのは、同じクラス、同じグループに所属して
今一緒に頑張っている練習生のスニョン
そして彼が彼女と公言したのはAの名前
あぁ、僕失恋したんだな、って理解するのにはそんなに時間がかからなくて
スニョンがAのことを好きなのぐらい気づいてた
今日の帰りにでも告白しようと思ってたのにな
ウォヌやジフンは2人におめでとうを言いに行っている
僕も言わなきゃいけないんだろうけど、そんな気にはなれなくて一人教室を出た
昨日Aはスニョンと帰っていた
その時にでも告白されたのかな
『あ、雨…』
コンクリートにぽつぽつ染みを作っていた雨は、だんだん激しくなる
傘も持っていないので、そのまま濡れるのも気にせず立ち尽くす
夕立に降られながらふと考えた
今思えば、スニョンはちゃんと努力していたのだと思う
何度も何度も、毎日積極的に話しかけに行ってた。
それに比べて僕は、スニョンをはじめとし、ウォヌやジフンの後ろにいてばかりで
そのおこぼれで笑顔を向けていてもらっただけなのかもしれない
それだけで舞い上がってたんだ。
『消えちゃいたい』
この雨と一緒に、この気持ちも全部流れて行ってくれないかと願う
けれどこれが初恋だったせいか、そう簡単には消えてくれない
ふと、雨が止んだのと同時に、大好きな声が聞こえる
「ジュナ！先行っちゃったから追いかけてきたんだけど…ってすごい濡れてるじゃん！
さっきの夕立あたったの？」
心配して顔を覗き込んでくれるAだけれど、
今はその優しさが辛かった
顔を上げると、スニョンやウォヌ、ジフンも後ろをついて歩いてきていた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空李(プロフ) - ぶー。さん» リクエストありがとうございます！少しお時間いただけますと幸いです！更新頻度酷いですが、これからも読んでくださると嬉しいです…！ (2019年4月19日 19時) (
レス) id: e6ecbe9f04 (このIDを非表示/違反報告)
ぶー。 - リクエスト良いですか？スングァンのハッピーエンドが読みたいです！あと、この短編集好きです！更新頑張ってください！ (2019年4月13日 14時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空李 x他2人 | 作成日時：2019年2月25日 3時
