さよなら、夕暮れ時【ホシ】 ページ29
『あー、日暮れちゃった』
なんて1人で呟いて、浜辺を歩く
『また今日も来なかったな』
いじけたように、砂を蹴ってみるけど
バランスを崩すだけ
『…かっこ悪いな』
俺は毎日夕方5時、この浜辺に1人で来る
それが、俺の大好きな人とした約束だから。
でも、君はある日、突然この浜辺に姿を表さなくなって
君が来なくなってから、もう少しで1年が経つんだよ
俺も、もう1年が経つのに
いつまでここに通いつめるんだろうとは思うけど
気づけば足がこちらへ向くのだから仕方ない
『どうしていなくなっちゃったの…』
俺は、君に伝えたいことがたくさんあるんだよ？
歌うのが大好きだった君の声で、
踊るのが大好きな俺が踊ってみたいって。
俺は夕方のこの時間をすごく楽しみにしてたんだよって。
夕日に照らされて、無邪気に笑う
君の笑顔が好きなんだよって。
俺は、君のことが好きなんだって。
なにひとつ、伝えられてない
だからさ、また夕方のこの時間
夕方5時に浜辺で待ってるから
戻ってきてよ
どこに行っちゃったのさ
俺、ずっと待ってるのに
そう想い続けて、もう1年か。
『そろそろ、諦めなきゃいけないのかな』
友達にも、｢もう会えるかわからないんだから、
諦めて次いけば｣って散々言われてきた
でも俺には、それが出来なかった
『ねぇA…』
あの楽しかった日々のように、
返事をしてくれる彼女の姿は、今はない
『俺さ、夕方のAに会えるこの時間が
大好きだったんだ』
けど今は。
『もう会えないかもしれないAを
思い出すこの時間と、
この場所が嫌いになりそうだよ』
だから、ごめんA
『約束、守れなくてごめん』
ここで待ち続けるって約束、守れなくなる
約束を破ってでも
俺は、Aと
この時間を嫌いになりたくはない、
辛い思い出にしたくないから
『今日でここに来るの、最後にするよ』
ここに来なくなれば、会える可能性はもう本当にゼロになる
仕方ないんだ
とっくに日が暮れて暗い海を見つめた
『今日はよく晴れてるなー…』
月と星が、水面に映って煌めいてる
『なぁA、星が綺麗ですね』
1人でそうつぶやくけど、
誰にも届かない言葉だ
『もう帰ろ…』
それじゃあ、さよなら
俺の大好きな人と、大好きな時間、大好きな場所
Aと夕方とこの浜辺に、別れを告げた
ホシペンの彼女【スングァン】→←◇ ◇ e n d i n g ＿＿＿＿ … ？
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空李(プロフ) - ぶー。さん» リクエストありがとうございます！少しお時間いただけますと幸いです！更新頻度酷いですが、これからも読んでくださると嬉しいです…！ (2019年4月19日 19時) (
レス) id: e6ecbe9f04 (このIDを非表示/違反報告)
ぶー。 - リクエスト良いですか？スングァンのハッピーエンドが読みたいです！あと、この短編集好きです！更新頑張ってください！ (2019年4月13日 14時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空李 x他2人 | 作成日時：2019年2月25日 3時
