夕明りの約束【ディノ】 ページ25
“ダンス界のサラブレッド！ディノ！！”
いつものお決まりのアナウンスのはずなのに、
毎回緊張で胸が締め付けられて痛い
『ダンス大会？』
ダンススクールの先生にそう言われたのは、夏休み真っ只中
ステージに立つのなんて何ヶ月ぶりだろう
高校生になってからは、ジュニア大会には
出られなくなったから、
ステージに立つ機会が減っていた
｢で、うちのスクールからは2人出すことになってるんだよ｣
『1人の枠は僕がもらっていいんですか？』
｢そうだな。あともう1人は…。A！｣
先生に名前を呼ばれ、こちらに歩いてくる一人の女の子
彼女は、A。このダンススクールで、
僕と張り合うぐらいの実力を持った
いわゆるライバルってやつ
｢お前ら2人でペア組んで出てこい｣
『｢ソロじゃないの？！？！｣』
そして頗る仲が悪い
一応、僕の好きな人ではあるんだけど
素直になれないんだよ、悪い？
先生の指示通り、ペアで参加することになった僕達
曲も振り付けも自由
1から考えることになった
｢絶対こっちの方が見てて映える｣
『でもそうすると、次の振りに支障が出るよ』
｢ならこのステップを1拍早めればいいじゃん｣
間に合うの？と僕はまた憎まれ口を叩いてしまう
｢誰だと思ってんの？チャナこそ遅れないでよね｣
まぁでも皮肉なことに
お互いライバルと認識しているせいで、
互いのダンスをよく見て研究していたため、
僕はAの、Aは僕のダンスの癖を
よく把握してしまっている
だからお互いに、相手のそこに気をつけながら
踊るから、ぴったり息は揃ってしまうわけで。
『…踊りやすくて腹立つ』
｢ブーメランだから｣
夕方から始まるこのダンススクール
日が暮れてくると生徒達がわらわらと
集まってくるのだけど、
先生に特別な許可を得て、
昼から開けてもらって僕達だけで練習している
今は夏休み中だしね
『ここで、回って…くるんぱっ』
声に出しながらひとつひとつ動作を確認していく
最近、先生にも褒められて、｢優勝狙える｣って言って貰えた
僕は嬉しくて、自然と動作も軽くなっていく
｢チャナ、そこもう少し足上げて｣
『あ、わかった』
それに比べて、随分冷静なA
嬉しくないのかな
僕はAと踊れてすごく楽しいけど…
なんて普段の僕じゃ口が裂けても言えない
｢チャナ。今日なんかステップあやふや｣
『え、ごめん…』
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空李(プロフ) - ぶー。さん» リクエストありがとうございます！少しお時間いただけますと幸いです！更新頻度酷いですが、これからも読んでくださると嬉しいです…！ (2019年4月19日 19時) (
レス) id: e6ecbe9f04 (このIDを非表示/違反報告)
ぶー。 - リクエスト良いですか？スングァンのハッピーエンドが読みたいです！あと、この短編集好きです！更新頑張ってください！ (2019年4月13日 14時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空李 x他2人 | 作成日時：2019年2月25日 3時
