時間差１年【ミンギュ】 ページ18
ヌナキラー。
高校生の時から今まで、よくそう呼ばれてきた
その呼ばれ方で、やっぱ俺ってモテるんだな、
とか調子に乗ってた時期もあった
けど、大学生になって好きな人ができてから、
そんな有頂天になることはなくなった
「あ、ミンギュ〜」
『A…！』
「私一応先輩なんだけどな！呼び捨てなんだね」
まったくもう、と頬を膨らませる彼女、Aは
同じ大学、同じ学部の先輩
俺の好きな人でもある
けど、けどね？
「ねぇ、ウォヌ見なかった？朝見たっきり見かけてなくて。
連絡しても返事ないし…。また寝てるのかな」
Aは、俺の親友でもあるウォヌの彼女さんなのだ
『ウォヌヒョンならさっき、中庭にいたけど…』
｢そっか！ありがとう！｣
『あ、ちょっと待っ…』
引き留めようとしたけど、走っていってしまった
俺は何度、ウォヌの元へ走っていく
彼女の後ろ姿を眺めればいいのだろう
走って腕を掴んで引き止めることもできる
けどそれは、俺のしていいことじゃない
どうせそんなことしたって、
Aの気持ちがウォヌから俺に
傾くはずがないことも分かってる
たった1年、生まれるのが遅かっただけなのに
1つ学年が違うから、話す時間が
ウォヌヒョンより少なかっただけなのに
『本当に、たった1年…』
ある日の帰り道、もうそろそろ日も落ちて
暗くなるから、家まで送ると言って
Aと2人きりで帰れることになった
｢それで、ウォヌってば…｣
2人でいる時も、Aはウォヌの話ばっかりだけどね。
『そっかㅋㅋ、それはヒョンが悪いねㅋ』
なんて笑って相槌をうっておく
｢あ、あれウォヌじゃない？！｣
彼女が指さした先には、
コンビニの袋を手に提げたウォヌヒョンの姿が
｢ごめん、ウォヌと帰るね。送ってくれてありがとう｣
じゃあまた明日、と言ってヒョンのところに
走っていってしまうA
急すぎて、俺は咄嗟に『また明日！』と返すしかできなかった
あぁ、また。
また、俺じゃない人のところに
幸せそうに駆けていく
大好きな人の後ろ姿を見なきゃいけないんだ
涙が出そうになって、ふと下を向く
走っていくAの影が目に映る
随分影が長い
もう日沈むんだな
俺も帰らなきゃ
たった1年、って嘆いたって
この時間差が埋まることはないけど
1度でいいから、こっちを振り返ってよ
ねぇ、俺の大好きな人
またね。【The 8】→←隣人以上、夫婦未満。 2【ドギョム】
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空李(プロフ) - ぶー。さん» リクエストありがとうございます！少しお時間いただけますと幸いです！更新頻度酷いですが、これからも読んでくださると嬉しいです…！ (2019年4月19日 19時) (
レス) id: e6ecbe9f04 (このIDを非表示/違反報告)
ぶー。 - リクエスト良いですか？スングァンのハッピーエンドが読みたいです！あと、この短編集好きです！更新頑張ってください！ (2019年4月13日 14時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空李 x他2人 | 作成日時：2019年2月25日 3時
