夕暮れに響く【ウジ】 ページ13
クラスも違う
知り合ったのは高校生になってから
接点は部活のみ
それでも俺は、Aのことが好きらしい
｢ジフナ〜！
今日受験の関係で先輩いないって！｣
キラキラした目で譜面とトランペットを持ったまま
こっちに駆けてくるA
言いたいことは分かった
ただ可愛すぎるだろと思いつつ、
『わかったわかった、どっからやんの？
つかペット持ったまま走んな、危ねぇよ』
素直になれないな、と俺も譜面を手に取った
同じ吹奏楽部で、同じトランペットパート
たったそれだけ。のはずなのにな
｢先輩いると、間違った音とか
リズム覚えると困るから、
合わせるのだめって言われちゃうし。
私はともかくジフナ間違えないのにね？｣
そう言いながら譜面台の前に立つAを
横目で見ながら、まぁな、と返す
そう言いつつ、Aも
しっかり譜面を読んでから始めるタイプなので、
間違った音もリズムも吹かない
｢いくよ？1、2｣
Aの声とメトロノームの刻む音に合わせて
ペットに息を吹き入れる
向かい合って、
視線をAの目と譜面台を行き来させながら吹く
俺はこの時間がとてつもなく好きだ
後輩が入ってきて、
｢先輩達またやってるんですか、仲良しですね｣
と言われたので譜面で軽く叩いておいた
｢今日部活ないのか〜｣
『俺、放課後に図書館行こうかと思ってるんだけど来る？』
｢あ！行く！｣
特に2人とも本が好きというわけではない
だから、俺とAが図書館に行く場合は
大体トランペットや音楽系の本を漁ることになる
『悪ぃ、3人に図書館行く事言ってなくて。
今言ってきたら遅れた』
放課後、図書館の入口の前で
俺を待っていたAにそう声をかけた
3人というのは、ウォヌ、ジュン、スニョンのこと
俺たち5人は、ほぼ毎日のように帰りが一緒になる
ウォヌとかは帰宅部のくせに吹部の俺とA、
ダンス部のスニョンとジュンを待ってるぐらいだ
放課後に図書館を利用する生徒は、
思ったより少なくて驚いた
｢思ってたより人少ない｣
『俺も思ったわそれ』
同じことを考えてたという喜びから、
頬が緩んでしまった
2人で目を合わせて笑っていると、
司書さんであろう人に｢お静かにお願いします｣
と言われてしまい、余計に2人で笑った
日が傾き始めた頃
閉館10分前の放送がかかった
夕暮れに響く 2【ウジ】→←染まり咲く花を君へ。 3【ウォヌ】
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空李(プロフ) - ぶー。さん» リクエストありがとうございます！少しお時間いただけますと幸いです！更新頻度酷いですが、これからも読んでくださると嬉しいです…！ (2019年4月19日 19時) (
レス) id: e6ecbe9f04 (このIDを非表示/違反報告)
ぶー。 - リクエスト良いですか？スングァンのハッピーエンドが読みたいです！あと、この短編集好きです！更新頑張ってください！ (2019年4月13日 14時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空李 x他2人 | 作成日時：2019年2月25日 3時
