どうか、沈んだままでいて。【エスクプス】 ページ1
｢ねぇ、ハニと喧嘩した｣
そう言いながら俺のベッドに寝転ぶコイツは、
幼馴染のA
俺の好きな人でもあるのだが、お察しの通り
ジョンハンという彼氏持ちである
『またかー？いい加減にしろお前ら』
付き合って3年目になるのに喧嘩が頻発している
付き合って3年目になるのに
未だに諦められない俺も俺だけど
｢だって最近ハニが構ってくれなくて！｣
理由を聞いても答えてくれないのだという
そりゃそうだ、今ジョンハンはAへの
プロポーズの計画を熱心に立てているのだから
メンバーにも何度相談を持ちかけられたことか
『まぁまぁ、ちゃんと話してこいよ、な？』
｢…わかった。｣
ふてくさったように頬を膨らませ、
部屋から出ていくAを見送る
プロポーズをきっかけに、
俺ももう諦めなければならないと思う
絶対に実ることはない想いなのだから
後日、ジョンハンから
プロポーズが上手くいったとの連絡が入った。
俺たちメンバーは、2人が同棲している家へ
お祝いをしに行くことにした
重たい足を引きずって家を出る
日は沈みかけていた
『早く行かねーと暗くなるな』
と言いつつ、何を思い立ったのか
近所の公園へと足を向ける
この公園には、Aと小さい頃に
よく遊びに来ていた
俺の名前を呼び、はしゃいで駆けてくる姿は
いつしか見れなくなった
あいつが駆けていく先は、俺じゃなくなった
『どうして、諦められないんだよ…』
早く2人のお祝いに行かなければいけないのに
足がその場に張り付いてしまったように動かない
そうだ。
今日この日が沈んでしまうまでは、
Aのことを好きでいよう。
日が沈んだら、きっぱり諦める
最後の最後まで情けないとは思うけれど、
この思い出の場所で、沈んでいく夕日と一緒に
自分の気持ちも沈めてしまおうと思った
『あどけない笑顔も』
1人でベンチに座って
『ちょっとドジなところも』
沈んでいく夕日を見ながら呟く
『全部全部、大好きだったよ』
完全に日が沈んでしまったのを確認して、
重たい腰を上げた
｢あ、スンチョルやっと来た！｣
待ってたのに！と膨れっ面をするAに、
『ごめん寝てた』
と嘘をつく。
俺は今ちゃんと笑えてるかな
太陽は沈んでも、また昇ってきてしまうけれど。
今日の夕日と一緒に沈めた
俺のこの想いは、
『A、おめでとう』
どうか、沈んだままでいて。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
空李(プロフ) - ぶー。さん» リクエストありがとうございます！少しお時間いただけますと幸いです！更新頻度酷いですが、これからも読んでくださると嬉しいです…！ (2019年4月19日 19時) (
レス) id: e6ecbe9f04 (このIDを非表示/違反報告)
ぶー。 - リクエスト良いですか？スングァンのハッピーエンドが読みたいです！あと、この短編集好きです！更新頑張ってください！ (2019年4月13日 14時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：空李 x他2人 | 作成日時：2019年2月25日 3時
