HS ─── 子供っぽいけど ─── ページ5
休日。何をするでもなく、作業室に籠ってただぼーっとしていた所入り口から大きな音が立った。
驚いて、入り口に視線をやると、ぷんぷんと言う効果音が似合う表情で彼はズンズンと私の方へ歩みを寄せる。
HS「休みだって何で教えてくれないの！」
「ホシだって、教えてくれてないじゃん。」
私のスケジュールには、ホシは確か今日録音の予定が入っていた。仕事詰めの私を見かねてか、ウジが気を効かせてくれて今日は録音には参加していない。
私はホシが仕事だと知っていたから、作業室でぼーっとする楽しい時間を過ごしていたのだが……。
HS「一昨日スケジュール変わったの伝えたじゃん！てか休日なんだからスニョアでしょ！！」
「アレ、そうだったっけ？……慣れないんだよー許してスニョアー」
一昨日は確か山場だったから……ほぼ脳死状態だった上に、寝てなかったのもあって記憶がない。だからスケジュール変更もしていなかったし、変更があったことすら記憶にない。
申し訳ないことをしたと、謝るついでに優しく抱き締めると先程までぷりぷりしていたホ……スニョアはすぐに静かになった。
「ごめんね、ちょっと忙しくて忘れちゃってた」
HS「ヌナは頑張り過ぎだよ……最近全然会えないし、会えたと思ったら凄くやつれてて心配になる……」
今にも泣きそうな、そんな声色で言うスニョアは抱き締め返した腕に力を込める。
優しいスニョアのことだから、例え何日会えなくても、心配でも、私の邪魔をしたくないとわざと放っておいてくれたんだろう。
そんな優しさが心に染みる反面、スニョアをここまで不安にさせてしまったことに罪悪感を感じる。
「……これからは気を付けるね、不安にさせちゃってごめんね。」
HS「うん……約束だからね？」
「ハンコも押そうか」
「うん……ハンコも押す……」と、涙ぐみながらも、嬉しそうな顔をしたスニョアはいつもより一段と子供っぽく見えて、思わず口角が上がるのを感じる。
ハンコを押すと、スニョアは部屋に入った時の勢いをたちまち取り戻し、ニコニコと笑みを浮かべたまま私から離れない。
「……夏なんですけど」
HS「ヌナ不足だから充電しないと！」
「なにそれ……」
何か意味不明なことを言い出したスニョアだけれど、今回は私が悪いし、心配してくれたスニョアに少しきゅんとしたから大人しく充電？されてあげることにした。
きゅんとした。なんて言ったら、調子に乗り出すので本人には絶対言わない。
WN ─── GAME START ───→←JN ─── 動き始めた ───
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作者名：チルソン | 作成日時：2023年3月2日 3時
