安心して ページ20
赤side
…!!!
隣の温もりがないことに飛び起きてリビングに向かう
ソファの上の存在に胸を撫で下ろして大きな音を立てないように近づく
まずは、視界に入る
ゆっくり顔が少しだけ上がって俺の顔をその目でとらえたことを確認してから
赤「おはよう、とも」
緑「ぉはよ、だぃ」
赤「早起きさんやね」
緑「ぅん、目、覚めちゃって」
赤「そっか、朝ごはん作ってくるから待っとってな」
緑「…」
頬に濡れた跡がある
泣いたんや
赤「もうちょいでできるで、とも」
緑「…」
赤「とも、できたから、食べよか」
緑「あ、」
赤「食べれる分だけでええよ」
緑「ごめ、なさ」
赤「大丈夫、でもこれ飲んでな」
緑「…ゃ」
健康用のものってやっぱり不味い、苦いもんばっかりでともが嫌がるのはなるべくさせたくないんやけど
こればっかりは栄養のために、ともが生きるために必要なこと
病院から処方された薬
ざっと11錠
一気に飲み込むんも辛いから何回にも分けて飲む
でもそれも上手く飲み込めへんで苦い思いしてまう
赤「ごめんな、とも、お願い」
緑「ゃゃっ」
赤「…とも、おいで」
緑「っ」
赤「大丈夫、なんもせんよ、ぎゅーさせて?」
怒られるんかとビクッとしたともをゆっくり、壊れ物を扱うように、優しく、
ともは繊細で脆くて、儚い
すぐに壊れてしまうから
控えめに小さくなって俺の前に来てくれるから
ソファに座ってゆっくり背中をトントンしてあげる
緑「…だぃ」
赤「ん?」
緑「…めんね…」
赤「なんで?とも悪いことしてないよ?謝らんでいいねんで」
緑「…とも、が、おくすり、のまへんから、ごはん、たべれへんから、…びょーき、やから」
赤「ううん、ともはなーんも悪ないよ?ともは一生懸命生きてるやん、俺の彼女になってくれてるやん、俺とずっと一緒におってくれるやん」
緑「とも、とおって、しあわせ?だい」
赤「めっちゃ、とも以外考えられへん」
安心を求めて閉じられる目
大丈夫と言うように重ねる口
全部を守りたい気持ちで撫でる頭
全てが俺のもの
俺が守らなあかんもの
100人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「重岡大毅」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ななはち | 作成日時:2021年7月13日 7時