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｢あの、すみません｣
｢はい｣
｢えっと、｣
｢あ、入所説明会ですか？｣
｢いえ、人を探してまして｣
金髪の男の子。
最近流行りの若いお父さんかと思った。
｢あの・・・大毅、先生？｣
｢・・・え？｣
｢重岡大毅先生ですか？｣
｢・・・待って。
え、待ってや？
ごめん！先生、みんな変わりすぎててわからんのやけど、
・・・ともひろ、君？｣
｢はい！そうです！｣
めちゃくちゃ可愛い顔立ち。
アイライン引いたみたいな目もと。
小さな唇の上にあるほくろ。
あの時、ずっと向き合ってきたから、覚えてる。
｢智洋君！｣
園の中と外。
｢中入り？｣
｢いいんですか？｣
｢ええよ。
みんなも喜ぶわ｣
中に入れば、全員が目を丸くして、
その後、保育士特有の優しすぎる、全てを包み込むような笑顔にかわった。
あれから智洋君を考えない日は全員なかったはずや。
照史、�陲舛磴鵝⊇濛澄�
�陲舛磴鵑歪樟椶寮榲世�あったわけやないけど、
福祉系の資格もある�陲舛磴鵑�、
あの時、児相と1番パイプになってくれた。
｢智洋君か、よお来たなあ｣
｢なんでわかったんや？｣
｢まあとりあえず座ろ｣
照史と�陲舛磴鵑六劼匹發鮓�なあかんから、
部屋に戻った。
事務所に、俺と淳太。
｢あの、これ｣
智洋君がずっと持ってた紙袋から出てきたんは、
あの時のパーカー。
｢これ、｣
｢俺、ずっと肌身離さず持ってたんです。
これが俺の唯一の精神安定剤みたいな。
児相の人、施設の先生、色んな人に捨てられそうになったんを、
必死に守って、今日まで持ってました｣
大事そうに、握りしめてる。
｢俺、ずっと探してたんです。
大好きな先生を。
タグの所に名前あったけど、
漢字で読まれへんくて。
中学生になって、初めて読めた｣
汚い字で書いてる重岡って文字。
｢小学生の時に、今の家族に引き取られたんです。
大切に育ててもらいました。
俺が重岡先生を探すのもめっちゃ協力してくれて。
ここを見つけたんも、お父さんなんです｣
俺の目にも、淳太の目にも、智洋君の目にも、
大きな光る粒。
こんなん、堪えられへんやろ。
｢ずっと、このパーカー返したかったんです。
やっと、会えた・・・っ｣
号泣する智洋君を、号泣する俺と淳太で抱きしめ合う。
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作者名：ななはち
| 作成日時：2024年3月8日 19時
