保育士赤×ネグレクトを受けてた緑(5)→(20) ページ34
赤side
3歳児の担任。
乳児の時から保育所におった子と、
3歳児から幼稚園みたいに入所の子がおる。
人数が増えて、
更に、妹弟が出来出す家庭が多いため、
子どもの心情も複雑になる頃。
それでもみんな仲良く楽しく過ごしてる。
12月になって、お喋りが得意になってくる子どもが増えてきた。
昨日の夕飯や、
休日のことを過去形使って話せる子どももおる。
｢ぺんぎん組さん、朝の挨拶しよか｣
オルガンで伴奏を弾くと、
子ども達はキラキラした顔で歌い出す。
『🎶 1 2の3で、おっはっよー！』
出席を取っていく。
学校やないから、生まれた順。
｢神山智洋君｣
｢・・・｣
親指をくわえてる右手とは逆の左手をスっと挙げて、居るよって伝えてくれる。
｢小瀧望君｣
｢あい！｣
0歳児の時にも俺が担任して、
俺の事覚えてくれてる。
7歳上のお姉ちゃんがおって、
人見知りせんから、
人懐っこい笑顔でお返事してくれる。
｢望君、いいお返事です｣
｢えへへ｣
｢藤井流星君｣
｢りゅーせ！よばれてる！｣
｢流星君、な？
流星君、いますかー？｣
｢・・・っ！ん｣
｢はい、良かったです｣
ぼーっとするタイプの、少しすこやかさん。
まあそんなもんやろって感じで、
最近流行りの脱力系男子か？みたいな。
｢今日はお外で遊んだ後、
クリスマスのサンタさんへのプレゼントのお手紙を書きます｣
みんなの顔が綻ぶ。
クリスマス。
サンタさん。
プレゼント。
みんなが誕生日と同じくらい楽しみにする行事やろ？
寒くないよう上着を着て、
靴に履き替えて、帽子被って所庭に出る。
｢智洋君、反応がなかった｣
もう1人の担任、淳太先生が耳打ちしてきた。
｢せやな。
やっぱりグレーゾーンやろ｣
｢お母さんと話したいんやけど、
おじいちゃんしかお迎え来んねんな｣
｢今度面談申し込むか｣
神山智洋君は、9月からこの保育所に来た子。
喋らへん子もおるけど、
自分の興味あることにはグイグイ行く子もおる。
あの子の声を聞いたことがない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 476人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ななはち
| 作成日時：2024年3月8日 19時
