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甘いもの食べてたら、
幸せで嫌なことも飛んでいく。
｢ホンマに29歳？｣
目の前の大毅君は、
かき氷頼んでて、
アフタヌーンティー食べてる俺見て、
聞いてきた。
｢おっさんでごめんやで。
しかもこんなん食べてて｣
｢いやっ、ちゃうって！
可愛ええなあって。
29には思えへん。
なんなら、同い年とか、年下とか・・・
そうやったらええなって話｣
最後の方は聞こえづらかってんけど、
そうやったらええなって、どゆこと？
年上は、あかん？
｢年上やったらさ、
俺みたいな子ども、相手にしてくれへんやん。
それが、悔しい｣
自傷気味に笑って話す大毅君は、
不謹慎やけど、それもかっこいい。
｢相手にされへんのは、俺の方やん。
30手前のおっさんが。
それに、弟君の担任で、
大毅君とは10も離れてるし｣
｢おっさんちゃう！
智洋君は、全然、その辺のおっさんとは違う。
まあ、それはそれでその辺のおっさんにも失礼かもやけど、
智洋君のこと、俺、｣
｢っ、俺のこと、？｣
期待、してもいい？
｢気がなかったら、誘わへんよ？、俺。
だいたい淳太も照史も�陲舛磴鵑皺兇�呼び出されとるだけやし。
なあ、意味、わかってくれる？｣
急に、男の顔。
いや、さっきまでもそうやったけど。
なにそれ。
めっちゃかっこいいやん。
かっこよすぎるやん。
その後は、何話したか覚えてない。
カチャカチャ、フォークとナイフと、
ティーカップとソーサーの音だけがやけに耳に残ってる。
机の上が空っぽになって、
そろそろ出よっかって。
｢智洋君、連絡先、交換したい｣
｢俺も、言おうと思ってた｣
｢良かった｣
歯が特徴的。
眩しいくらいの若い笑顔。
｢智洋君って、土日が基本休み？｣
｢うん｣
｢また、一緒に、｣
｢出かけよ？
土曜日は月一で出勤やけど、
それ以外は休み。
早番の時は3時半には、暇になるし、｣
｢誘ってもいい？｣
｢誘って欲しい｣
｢いっぱい出かけたい｣
｢うん｣
｢智洋君のこと、知りたい｣
｢うん、俺も｣
｢連絡する｣
｢待ってる｣
｢・・・駅まで一緒に行こ｣
｢うん｣
嬉しい。
引っ張ってくれてるのが、かっこいい。
そんで、いつの間にか敬語が抜けてて、
一気に距離が近くなった気がする。
｢また、月曜日｣
｢うん｣
｢連絡するから、待ってて？｣
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作者名：ななはち
| 作成日時：2024年3月8日 19時
