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｢くましゃーーーん！｣
ショッピングモールに家族で来た。
両親は買いたいもんがめっちゃあるらしく、
望のお守りをかって出た。
靴買ってくれるって言うから。
｢走ったら転けるで｣
ﾋﾞﾀﾝｯ
言わんこっちゃない。
俺の目の前で派手に転けた。
でもちゃんと手が前に出て、
ギリ顔面は守ってる。
｢ﾝｸｯ、｣
｢大丈夫かー｣
｢にい、ちゃ｣
｢はいはい｣
周りから少し視線を集めてる。
もぉ、ほんま恥ずかしい。
俺、注目浴びんのとか嫌やねん。
はよ立ち去りたい。
おかんらのとこ行こうと、
ぐすぐすしてる望を抱っこした時。
｢でっかい音したと思ったら、
のんちゃんと、大毅君やん｣
聞き覚えのある声。
横から来たのは、
神ちゃん先生。
と、高身長イケメン。
ライオンみたいな。
｢かみちゃせんせっ｣
しょげてた望も、一瞬で立ち直る。
｢どないしたん｣
｢いつものです｣
｢はしゃぎすぎたんか｣
俺に抱っこされてる望を覗き込んで、
ぷくぷくのほっぺたをむにむにしながら、
問いかける姿は保育士そのもの。
｢のんちゃんは元気やもんね｣
｢のんちゃ、げんき｣
｢強いしね｣
｢んっ｣
その言葉で涙引っ込んでやんの。
保育士って凄いわ。
休みの日まで神ちゃん先生に会えるんはめちゃくちゃ嬉しい。
神ちゃん先生の私服、
派手やな。
｢神ちゃん、｣
｢流星、ごめんごめん。
じゃあのんちゃん、
お兄ちゃんの言うこと聞いて、
転けないようにね？｣
｢あい！｣
手を挙げて元気に応える。
｢すみません。
ありがとうございます｣
お礼を言えば、
ニコって笑ってくれる。
いつもの神ちゃん先生。
｢流星ごめんな？｣
｢せんせ、ばいばい！｣
｢のんちゃんばいばい。
大毅君も、ばいばい｣
｢失礼します｣
遠ざかっていく2人。
神ちゃん先生が流星さんの肩を叩いて、
お先の店を指さして、
2人で微笑みあってる。
一言で言うと、お似合い。
｢だい？｣
｢望、兄ちゃん、
もっとかっこよくなるわ｣
｢のんも！｣
｢2人で頑張ろか｣
と言っても、学校のテスト期間とバイト、サークルの関係で
2週間近くお迎えに行かれへん。
流星さんは彼氏？
それだけが頭の中をグルグルしてる。
俺の可能性は0未満？
年下の俺は、ダメですか？
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作者名：ななはち
| 作成日時：2024年3月8日 19時
