大学生赤(19)×保育士緑(29) ページ1
赤side
｢たっくんお迎えきたよー｣
｢ままー！｣
お迎えラッシュ。
子ども達は一目散に親御さんの元へ駆けていく。
門にはインターホンがついてるけど、
出入りする人が多いから、
俺もその流れに乗って入る。
でも、どうしたらいいんかわからんのやけど。
え、望どこにおる？
｢どうされましたー？｣
｢あ、えっと、望、、
重岡望の兄です｣
びっくりした。
めっちゃ綺麗な人きた。
え、金髪やねんけど。
｢望君ですね！
のんちゃーん、お迎え来たよー｣
｢だいー！｣
｢おお、望おかえり｣
｢のんちゃん、あのブロックお片付けしてから、
お帰りのご用意しといで｣
俺を見つけて、
遊んでたブロック放り投げて走ってきた、
我が家の末っ子。
金髪の可愛い顔した先生に促されて、
ブロックを拾いにいく。
なんや、家では絶対せーへんくせに。
｢かみちゃんせんせ！｣
｢かみちゃんせんせい？｣
｢あ、僕、神山です｣
｢あ、えっと｣
神山先生。
確かに名札に書いてた。
神山先生は、
金髪やのに、めちゃくちゃ優しそうで、
着てるTシャツは派手やのに、
そこから伸びる腕は真っ白。
｢望くん、今日は、
兄ちゃんが迎えに来てくれるねん！って、
張り切って、給食もおかわりして、
昼寝からも1番に起きて、
牛乳も飲んでました｣
にこにこしながら、
今日の望のことを教えてくれる。
何その可愛い顔。
｢そ、そうなんですね｣
変にドキドキして、
どもってまう。
｢はい。
望くん、ほんとにお兄さん大好きなんですね｣
そんなキラキラした笑顔で・・・
｢え、あ、はい。
いや、あいつ、家では生意気で、｣
｢だいー！｣
それをも凌駕するデカい声。
声と態度だけはデカいねんから
｢はいはい。
先生にさようなら言うてな？｣
｢かみちゃんせんせ、さよーなら！｣
｢さようなら。
望くん、今日のお話いっぱいお兄ちゃんにしてあげてな？｣
望の目線に合わせて、
しっかりしゃがんで、望の頭を撫でる神山先生。
｢うん！
かみちゃんせんせ、さよーなら。
ぎゅー！｣
｢ぎゅー！｣
え、何この天使の画。
望は、我が弟ながら、歳がまあまあ離れとるから、
まあ、生意気やけど可愛いとは思う。
そこに、神山先生。
天使×天使の画が前で描かれてる。
むり。
｢望、これから毎日、俺がお迎えでええ？｣
｢だいが？
まいにち？
いいよ！｣
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作者名：ななはち
| 作成日時：2024年3月8日 19時
