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大毅さんは、硬派な方じゃけど、
お礼を言う時、頭を撫でてくれる。
長女で、頭を撫でられることなんかあまりなかったけど、
すごく温かい気持ちになれるから、好き。
｢涼子ちゃんも、満州に行ったんじゃて｣
｢そうやったんや。
女学校の同級生やんな｣
｢もう1つの日本みたいで、
楽しいって来とった｣
｢誠也と良規、咲子のために、
みんなで満州に行こうや｣
｢はい｣
子ども達も、新しい生活に期待をしてる。
満州で成功して、
お母ちゃんや、清子達に、仕送りして。
楽に暮らせるようにしてあげたい。
出発の日。
広島の港には、大きな船。
見送りの人達は、日本国旗を持って、
精一杯手を振ってる。
子ども達は、初めての大きな船に大興奮。
｢ぼく、おおきくなったら、
ふなのりになる！｣
誠也が言うと。
｢よしくんも！｣
｢さっちゃんも！｣
2人も手を挙げて、めっちゃ可愛い。
｢みんな、かっこいい船長さんになるね｣
｢さっちゃん、かわいいのがええ｣
｢咲子は可愛い船乗りやな｣
大毅さんが咲子を抱っこして、
甲板から、中に入った。
私も誠也と良規と手を繋いで、
後ろから一緒に戻った。
今から、この3人を、
知らん土地で守っていかなあかん。
｢智子、みんなで力合わせて楽しもな｣
｢はい！｣
ドキドキとワクワクが混じった気持ち。
船から降りて、他の人達に続く。
車に乗って、長い長い道のりを走る。
｢お母ちゃん、僕らどこ行くん？｣
誠也が不安そうに、
うちの袖を掴むから。
｢んー、すんごい広いところ。
お家も大きいんがあって、
ご飯を作る畑も田んぼも大きいのがあるんよ。
家族みんなで、頑張ろね｣
｢うん！
ぼくも、父ちゃんと母ちゃんのために頑張る！｣
誠也のため。
良規のため。
咲子のために、頑張れる。
大毅さんと一緒なら。
着いた場所は、全くの荒地。
壁紙で見たような、
広がる麦畑や、野菜のなる畑は全くない。
｢ここが、満州？｣
｢お母ちゃん｣
｢誠也、これから楽しみばっかりやぞ｣
大毅さんは、誠也の頭をガシガシ撫でてる。
｢お父ちゃん｣
｢俺らが、良規も咲子も、お母ちゃんも守っていくんや｣
｢うん｣
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ななはち(プロフ) - kikaさん» kikaさんありがとうございます🤍時代物はハッキリ好き嫌い分かれるものやと思って書いてるのですがこうやってコメや反応貰えるとめちゃくちゃ嬉しいです！不安が吹っ飛びます！もう少し続きますのでよろしくお願いします🥰 (4月2日 22時) (
レス) @page27 id: ef79629cea (このIDを非表示/違反報告)
kika(プロフ) - 心臓がギュッてなりました……続き楽しみにしています‼︎ (4月2日 19時) (レス) id: 8a2ca7f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななはち
| 作成日時：2024年3月1日 20時
