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｢ホンマ、甘いもの好きやな｣
｢はい。
幸せな気持ちになれるから｣
｢幸せそうな顔してるわ。
ずっと見てたくなる｣
頭に大毅さんの手が乗った。
｢妹、みたいですか？｣
兵庫の実家に、
お姉さんとお兄さん、弟さん2人がいはることは知ってる。
｢妹はおらんからなあ｣
優しい顔。
｢でも、妹おったらこんな感じなんかな｣
｢・・・妹は、嫌じゃ｣
大毅さんの顔は見れんから、
地面を見つめて言うてしまう。
｢そんなん、言わんとってやぁ。
我慢、できんなるやんか｣
何かを抑えてる声じゃ。
大毅さんも、うちを思ぉて、
心臓の辺りがぎゅうってなってくれとるんじゃろか。
そうじゃったらええな。
うちとおんなじじゃ。
ー1929年
勝子ちゃんから、赤ちゃんが産まれた報せが届いた。
女学校時代のお友達の、
涼子ちゃんや、侑李ちゃんに、
お買い物で出会った。
｢勝子ちゃん、子どもができたんじゃと｣
｢東京も、大地震の復興が進んでるって｣
｢愛する人と駆け落ちって、
うちは出来んなあ｣
｢涼子ちゃんは、中島銀行の裕翔さんがおるじゃろ｣
｢あの人、優しいけど、
何考えてるんか、わからんけぇ。
それに、まだ一緒の寝床にもついてないんじゃ｣
｢あれまあ｣
赤裸々な話じゃけど、
こんな風に話せるお友達がおることはええ事じゃって思う。
｢智子ちゃんは？｣
｢うちは仕事が忙しいけぇ｣
そう言いながら、思い浮かぶんは、
大毅さん・・・
｢智子ちゃんは可愛らしいけぇ、
引くて数多じゃろ？｣
｢そげなことないよ。
それより、侑李ちゃんも、結婚するんじゃろ｣
｢うん。
大阪に行くんよ｣
｢みんなバラバラじゃねえ｣
家に帰って、茂のおしめを替えながら、
女学校のことを思い出す。
笑って、遊んで、勉強して。
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ななはち(プロフ) - kikaさん» kikaさんありがとうございます🤍時代物はハッキリ好き嫌い分かれるものやと思って書いてるのですがこうやってコメや反応貰えるとめちゃくちゃ嬉しいです！不安が吹っ飛びます！もう少し続きますのでよろしくお願いします🥰 (4月2日 22時) (
レス) @page27 id: ef79629cea (このIDを非表示/違反報告)
kika(プロフ) - 心臓がギュッてなりました……続き楽しみにしています‼︎ (4月2日 19時) (レス) id: 8a2ca7f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななはち
| 作成日時：2024年3月1日 20時
