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ガコンって俺のが落ちてきた。
自販機の前、ちょっとした休憩スペースになってる。
｢ちょっと座らん？｣
｢え、どうしたん？｣
｢ええから｣
渋々やけど座ってくれた。
｢さっき泣いてた？｣
｢え？｣
｢さっき、なんか苦しそうやった｣
｢そんなことないよ？｣
｢・・・何年神ちゃんのこと見てきた思ってんの？｣
｢・・・まあ、うん。
それは、そうやけど。
ちょっと最近疲れてて。
まあ、ごめん、ありがとう｣
｢いや、謝って欲しいわけやなくて、｣
｢そろそろ行かな。
せっかく買ったのに飲む時間なくなるわ｣
有無を言わさず、神ちゃんが立ち上がるから、
それにつられて立ってしまう。
｢しげってさ、｣
｢ん？｣
｢ううん。
なんでもない｣
｢ええ！なんやねんな｣
｢いや、なんかさ、｢あ、夢に見たみたい｣ってなる時、あらへん？｣
｢え、｣
その時、楽屋から照史が見えて。
｢かみしげそろそろ行くで｣
｢はーい｣
神ちゃんが足早に行ってまうから、話はそれまで。
確かに、今までもふと気になることはあった。
でもみんなそんな時あるって言うし。
そこまで深く考えへんようにしてた。
思い出してしまうと、
体も頭も心も追いつかへんくなる気がして。
目を背けてた。
今度、先輩と親友が出るって映画。
せっかくやからって見に行ったら、
頭が痛なって、ブワッて全部が押し寄せてきた。
｢・・・・・・｣
俺は、あの場所にいた。
何人もの男と共に、雑魚寝で、
寒いのにそのまま夜まで働かされ続けて。
笑顔もあったけど、
寒さに弱かった俺は、すぐに力尽きてしまって・・・
満州に愛する人たちを置いてきたまま。
それだけが心残りで。
ずっと、ずっと思ってた。
初めてオーディション会場で見た時。
目が離せへんかった理由。
どうしても仲良くなりたくて、
怒られながらもどうにか同じ電車で帰ってた理由。
シンメで、嬉しかった理由。
同じグループに絶対になりたかった理由。
神ちゃんの傍におりたかった理由。
全てを、思い出した。
｢智子・・・｣
口にして、全部がストンって。
パズルのピース合わさった感じ。
俺が守りたかったものは、これや。
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ななはち(プロフ) - kikaさん» kikaさんありがとうございます🤍時代物はハッキリ好き嫌い分かれるものやと思って書いてるのですがこうやってコメや反応貰えるとめちゃくちゃ嬉しいです！不安が吹っ飛びます！もう少し続きますのでよろしくお願いします🥰 (4月2日 22時) (
レス) @page27 id: ef79629cea (このIDを非表示/違反報告)
kika(プロフ) - 心臓がギュッてなりました……続き楽しみにしています‼︎ (4月2日 19時) (レス) id: 8a2ca7f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななはち
| 作成日時：2024年3月1日 20時
