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こんだけわちゃわちゃしてても、
監督のスタートの合図とカチンコがなればすぐに切り替えられる。
俺らの培ってきたもの。
｢おつかれ｣
｢お疲れ様です｣
｢おつかれー｣
それぞれが帰路に着いていくなか、
俺はちょっとした距離を歩く。
MV撮影は夜遅くまで続くんよな。
外に出ればまだ寒い。
俺昔っから寒いん苦手やねん。
なんか怖くて、嫌い。
風邪ひく前にはよ帰ってあったまろ。
それから1年。
｢神ちゃん明日から実家帰るんやっけ？｣
｢うん！
明日な、1番下の妹が20歳の誕生日やねん。
せやから、せっかくならお祝いしてあげたいやん？｣
えみちゃん誕生日なんや。
｢うわ！おめでとさんやな！｣
｢優しいお兄ちゃんやで｣
他人の誕生日でも騒げる俺ら、まじうるさいよな。
｢名前なんやっけ？｣
｢笑美？｣
｢そうや、えみちゃんや｣
｢笑うに美しいって書くんよな？｣
｢淳太、よお覚えてんなあ｣
俺も知ってたで。
ま、そんなこと言うて何になる訳でもないから、黙っとくけど。
｢ええ名前やなって思ったから｣
｢よな。
我が妹ながら俺も思う｣
えみちゃん。
他人事と思われへん。
帰りの車、
神ちゃんは既に買ってあるらしい誕プレを忘れへんように帰ったらすぐカバンに入れるって息巻いてる。
｢神ちゃん、これ｣
｢ん？
しげ、これなに？｣
｢朝、雑誌の取材でもろてんけど、
せっかくやったらえみちゃんに誕プレであげてやってや｣
｢え、いや、そんなんええって｣
｢ええねん。
これ今女子の間で人気らしいねんて。
女性スタッフさんがめっちゃ喜んでたからさ。
俺とか食べるより、女子に食べてもらった方がこいつも気分ええやろし｣
｢フィナンシェの気持ちならんとってや｣
笑いながら受け取ってくれた。
これで良し。
なんでか、神ちゃんの妹が他人事に思えへん。
えみちゃん。
｢上の妹の時も貰っちゃったのに｣
｢咲ちゃんも、俺の妹みたいなもんやしな｣
神ちゃんの妹ちゃんは、大阪におったまだジュニアのころに、泊まりに行った時に会ったっきり。
たまーにライブ来てくれてたから、
その時はちょこっと挨拶したな。
えみと、さっちゃん。
俺の中で、大切にしたい人。
神ちゃんは俺の宝物やから、
妹ちゃんってことはそうやねんけど。
ホンマに、はるか昔から知ってるような。
俺が守らなあかんって思える存在やねん。
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ななはち(プロフ) - kikaさん» kikaさんありがとうございます🤍時代物はハッキリ好き嫌い分かれるものやと思って書いてるのですがこうやってコメや反応貰えるとめちゃくちゃ嬉しいです！不安が吹っ飛びます！もう少し続きますのでよろしくお願いします🥰 (4月2日 22時) (
レス) @page27 id: ef79629cea (このIDを非表示/違反報告)
kika(プロフ) - 心臓がギュッてなりました……続き楽しみにしています‼︎ (4月2日 19時) (レス) id: 8a2ca7f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななはち
| 作成日時：2024年3月1日 20時
