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あの目は、あかん。
吸い込まれそうじゃ。
｢重岡さんは、行く宛てがないんね？｣
｢はい｣
｢お父ちゃん｣
お母ちゃんが、お父ちゃんを呼ぶと。
｢うーん。
学校ではどげなことを？｣
｢主に飛行機の操縦、
工場機械の整備も習っておりました｣
ずっと姿勢が良い人じゃ。
そんな印象。
大毅さんはそのまま神山製鉄所で働くことになった。
他の人たちと一緒に、
離れで生活もすることに。
｢大毅兄ちゃん！
キャッチボールしようや！｣
お父ちゃんも忙しくて、
あまり剛の遊びに付き合ってあげれんかったからか、
イキイキと遊びに誘てる。
｢だいきにーちゃん、
きよことかくれんぼしよ！
かくれんぼするひとこのゆびとーまれっ｣
清子は可愛い指先を出して、
鈴のように歌ってる。
｢だいきにぃに！
ゆうこも！｣
優子が小さな腕を伸ばして頑張るから、
大毅さんが抱っこして、
清子の指に掴まれるようにしてあげる。
子ども達にも大人気。
｢大毅さん、ホンマにありがとう｣
お母ちゃんも茂の世話と、
畑の仕事が大変じゃし、
お父ちゃんも工場の仕事で構ってあげれんかったけど、
大毅さんのおかげで助かっとるって話をしてるん、
夜中に聞いた。
｢いえ。
僕も、故郷に剛君達と同じくらいの弟がおるんです。
せやから、弟と遊んでやれへんかった償いやないですけど。
僕も楽しませてもらってます｣
｢智子ちゃん、行ってらっしゃい！｣
朝、女学校に行く時、
朝の準備をしてはる大毅さんと挨拶する。
それが密かな楽しみになっとるのは、
うちだけの秘密。
女学校では、
卒業後の自分たちについて話すのが日課になっとった。
｢大阪にお嫁に行くんじゃ｣
｢ウチは、｣
｢勝子は幼なじみの健ちゃんがおるじゃろ｣
｢もお、そげな事ないけぇ、
いらん事言わんとって！｣
だいたいの女がお嫁に行く。
それが女としての将来じゃから。
｢智子ちゃんは？｣
｢うちは、どうするんじゃろ｣
｢あんた、自分のことじゃろ？
他人事みたいじゃねえ｣
｢まだ実感湧かんけえ、
どうしても、人の話みたいに思えるん｣
｢智子ちゃんとこは、
幼年学校からの君がおるじゃろ？｣
大毅さんのことは、
お家に遊びに来たことがある友達は知ってる。
｢そんなんじゃないけえ、別に｣
女学生のようなお話ができるんも、
あと少し。
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ななはち(プロフ) - kikaさん» kikaさんありがとうございます🤍時代物はハッキリ好き嫌い分かれるものやと思って書いてるのですがこうやってコメや反応貰えるとめちゃくちゃ嬉しいです！不安が吹っ飛びます！もう少し続きますのでよろしくお願いします🥰 (4月2日 22時) (
レス) @page27 id: ef79629cea (このIDを非表示/違反報告)
kika(プロフ) - 心臓がギュッてなりました……続き楽しみにしています‼︎ (4月2日 19時) (レス) id: 8a2ca7f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななはち
| 作成日時：2024年3月1日 20時
