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｢ほんまや｣
｢うわあ、よっしゃあ！
この家は、花がいっぱいで気持ちも華やかになるんです｣
喜ぶ姿がまだ幼い。
｢智子、小瀧に惚れたか？｣
小瀧はどこをどう見ても、好青年や。
珍しい、背が高くて堀が深い。
西洋の人形や言われても合点がいくくらい。
｢そげなことないです。
小瀧さん、なんや弟の剛のようじゃから。
同じくらいの年じゃし｣
｢ああ、そうやったな。
神山家の皆さんはお元気にされてるか？｣
｢ええ。
この前お手紙が届いたんよ｣
家族と仲いい智子を満州に連れてきてしまい、
家族と離れ離れにさせてしまった。
｢智子、ごめんな｣
｢なんで謝るんじゃ？
私は大毅さんと一緒になりたい思たから、
一緒に来たんじゃ｣
｢っ、ごめんっ。
ありがとおっ。
こんな優しい嫁さんもらって、
ホンマに俺は幸せもんや｣
｢もお、ほんまじゃ｣
智子の目もちょっと赤くなってて、
2人で重なり合う。
日本での戦果は素晴らしいものが告げられてるらしい。
｢父ちゃん、日本は勝つんか？｣
｢そうやなあ、｣
負ける。なんか言うてしまうと子供らに不安を与える。
それと、非国民として憲兵に連れていかれる。
ー1945(昭和20)年6月ー
鉄鋼の仕事するにも材料がなくて、
家で出来ることをする日々が続いてた。
｢郵便でーす。
重岡さん、おめでとうございます｣
国民服を着た郵便配達員から受け取った紙は智子の唇のように桃色やった。
｢父ちゃーん、一緒に・・・それ、｣
誠也は気付いたらしい。
｢父ちゃん、健がぁ、｣
良規にももうわかるよな。
｢誠也、良規｣
2人を抱きしめる。
｢父ちゃん・・・｣
｢父ちゃん｣
良規の不安な声と、誠也の頼もしい声。
｢父ちゃん、みんなのために戦ってくるからな｣
2人を離して、家の中に入れば、
智子の近くで最近産まれたゑみをおぶってあやしてる咲子と、
良規の大事にしてるおもちゃを自分の物のように遊んでる健がおる。
｢智子、お呼びかかったわ。
誠也は俺に似て頼もしいから、心配いらんな｣
｢大毅さんっ｣
大きな目を更に見開いた智子を胸の中に抱きとめる。
胸の間には色とりどりの花。
花の匂いが、智子の匂い。
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ななはち(プロフ) - kikaさん» kikaさんありがとうございます🤍時代物はハッキリ好き嫌い分かれるものやと思って書いてるのですがこうやってコメや反応貰えるとめちゃくちゃ嬉しいです！不安が吹っ飛びます！もう少し続きますのでよろしくお願いします🥰 (4月2日 22時) (
レス) @page27 id: ef79629cea (このIDを非表示/違反報告)
kika(プロフ) - 心臓がギュッてなりました……続き楽しみにしています‼︎ (4月2日 19時) (レス) id: 8a2ca7f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななはち
| 作成日時：2024年3月1日 20時
