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次の日、学校に行くために朝の6時に起きた。
うちが女学校に入学する直前に、法が改正されて、
5年間、通うことができるようになったんじゃ。
今は、広島高等女学校の3年生。
剛と清子も広島小学校の5年生と3年生じゃけえ、
2人を起こすのが、うちの仕事。
｢いってきまーす！｣
｢気をつけて行ってきんさいねえ｣
｢はーい！っ、！！｣
いつも通り、朝7時半に家を出て、
歩いていこうとした時。
家の庭の影。
誰かが倒れとお？！
｢大丈夫ですか！？｣
｢うう"っ｣
唸り声。
｢おかーーーちゃあん！｣
｢なんねえ、朝からそがんでけぇ声出してえ｣
家ん中から、お母ちゃんがエプロンで手を拭きながら出てきた。
｢倒れとお人おるんじゃ！｣
｢ええ、おとーさん！｣
お母ちゃんもびっくりして、
新聞読んどったお父ちゃんを呼んでじゃ。
｢なんじゃ、朝から｣
｢今、外出たら倒れとったんよ。
大丈夫じゃろか？
熱あるかもしれん｣
焦ってしまう。
実はこれは今に始まったことじゃないけえ。
｢智子、あんたはええから、はよ学校行き｣
｢う、うん｣
お母ちゃんに促されて、
そのまま学校に行った。
大丈夫じゃろか。
今までにも、色んな人があそこで倒れてはったから。
学校ではせえらあ服とやらの洋服の話でもちきり。
袴よりも短いすかあとに、
襟には風呂敷やなくて、りぼん言うもんがついてるんじゃと。
授業も、裁縫は苦手じゃ。
全部音楽ならええのに・・・
家に帰れば、朝倒れとった人が、
優子と遊んでじゃった。
晩ご飯の時間になって、
みんなが食卓に着くと。
｢重岡大毅と言います！
広島陸軍地方幼年学校の3年生でしたが、
先日、廃校となりまして、
寮からも一昨日に、追い出されてしまいました。
私の家は兵庫の田舎でして、
兄弟も多く、帰っても私は邪魔になるだけなのです｣
そこで、どがんしたらええか分からんで、
気づいたら、この家の前で倒れてたんじゃと。
｢おにーちゃん、いくつ？｣
清子が尋ねた。
｢16やで｣
子どもの目を見て、
頭を撫でながら伝える大毅さん。
その手は焼けてて、男らしく、逞しいて。
その手で、うちも撫でられたいと思ってしもうた。
その時、パチッと目が合ってしまった。
｢あの、｣
｢すみませんっ｣
咄嗟に謝る。
｢智子は女学校じゃけえ、
男の人に慣れておらんのです｣
｢ああ、そうなんですね。
すみません｣
｢い、いえっ｣
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ななはち(プロフ) - kikaさん» kikaさんありがとうございます🤍時代物はハッキリ好き嫌い分かれるものやと思って書いてるのですがこうやってコメや反応貰えるとめちゃくちゃ嬉しいです！不安が吹っ飛びます！もう少し続きますのでよろしくお願いします🥰 (4月2日 22時) (
レス) @page27 id: ef79629cea (このIDを非表示/違反報告)
kika(プロフ) - 心臓がギュッてなりました……続き楽しみにしています‼︎ (4月2日 19時) (レス) id: 8a2ca7f8a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななはち
| 作成日時：2024年3月1日 20時
