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｢珠里〜。
スイミングの用意も持って行ってなー｣
｢はーい！｣
返事を聞きながら、
祖母に連絡。
今週の土日はヒートが被る。
あんまり抑制剤を服用しすぎるんもあかんから、
休みが重なる時は、お願いしてる。
スイミングでは、相変わらず照史コーチに懐いてて、
珠里が何かに夢中になってるのはいいなって。
｢珠里、おかえり｣
｢ママー！｣
珠里が俺を見つけて走ってきた。
手を繋いで駐車場まで行く時。
近くの親達が、ヒソヒソと声を潜めながらも、
俺の方を見て噂話をしてるのが、
玄関のガラスドアに反射して見えた。
｢今日はおばあちゃんのお迎えな｣
金曜日。
｢うん！
おとまりのよういできたよ！｣
さすが珠里。
数を既に理解してるから、
何枚用意してって言うたら、
ちゃんとTシャツとズボンとパンツと靴下を用意できる。
お昼休み。
｢淳太、ごめんやけど、
明日の休日出勤頼めるか？
得意先のデータが直し入ってもうて、
明日届くんや｣
｢明日、ですね。
大丈夫です｣
抑制剤飲まなあかんくなった。
まあ、しゃあないか。
今日の夜から飲めば、なんとかなるかな。
珠里をオカンにお願いしててよかった。
念には念を、で、
昼ご飯の後にトイレで飲んだ。
次の日、抑制剤の副作用が、
ちょっと頭が痛い。
でも、テレビで低気圧がきてるって言うてたから、
それかなって。
何とか夕方には終わった仕事。
薬飲んでるし、
電車で来てんけど、やばいかも。
頭がガンガンしてきて、
足下もフラフラ。
駅の隅に寄った時。
｢淳太？
大丈夫か？｣
｢っ、｣
上司や。
｢大丈夫、ですっ｣
｢いやいや、顔色ひどいで？｣
いやらしい手つき。
嫌や。
｢やめっ｣
匂いに顔を更にしかめた時。
｢あの、大丈夫ですか？
あ、な、淳太｣
｢なんや、君は｣
｢淳太、の、｣
｢照史っ｣
なんでもいい。
縋りたかった。
支えて欲しかった。
｢すみません。
淳太は俺がちゃんと連れて帰ります｣
｢ありがとう、ございました。
また、月曜日｣
上司に挨拶して、
改札に歩いていく。
｢すみません。
コーチ、ありがとうございました。
お見苦しいとこ、お見せしてしまって｣
｢いえ。
中間さん、大丈夫ですか？｣
｢はい｣
｢・・・不安なんで、送ります｣
｢いや、｣
八の字眉に角度がついてて、
断るなんかできんかった。
最寄りの駅まで着いてきてもらってしまった。
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ななはち(プロフ) - ねむちゃさん» ねむちゃさんありがとうございます！ちょっと辛めのかこを持つ黄さんですが、橙さんがこっから頑張ってくれるはずです！久しぶりの橙黄で、かつオメガバなので結構手探りながらも楽しんで書いてます😆これからもよろしくお願いします💕 (11月18日 3時) (
レス) @page28 id: ef79629cea (このIDを非表示/違反報告)
ねむちゃ(プロフ) - 黄…つらいなぁぁぁ！！橙がきっと…！！って思いでみてます笑めちゃくちゃ好きです！！！これからも頑張ってください！ (11月17日 18時) (レス) @page28 id: 45cf627fea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななはち
| 作成日時：2023年10月23日 19時
