未完成(JW 赤×緑)

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家族のアルバム見せてもらってんけど。


あれ、見たこと、ある。



｢とも、保育園がホンマに好きやって。
保育士なりたい、言うた時も、
納得したくらいなんです｣


黄緑帽子かぶって、カメラにピースしてる写真。


いや、そんなはずない。

俺は、赤色帽子やった。


やから、この子は違う。


自分が通ってた保育園の名前は忘れたし。


確証がない。


｢重岡さんは、
お医者さん目指されたきっかけとかあるんですか？｣


｢・・・選択肢が、なかったというか。
でも、人の命を助けたいっていう思いがあって。
身近なものが、医者やっただけで｣


そのレールしかなかったから。


言い訳よな。


いくらでも、なんにでもなれたはず。


ただ、親族に逆らうこと、
期待を裏切ることが怖かっただけ。


｢立派やわ。
私らも病気なったら診てもらお｣


｢いやいや。
ずっと元気でいてください｣


｢こんな好青年でお医者さん。
ともね、ほんまずっと恋人のこの字もなかったから、
安心｣


ずっと恋人おらんかったんや・・・


ともと目が合って、
先にともに目を逸らされる。


照れた顔して。


かわいいな。


ご両親のおる前で、
2人だけで目配せするん、癖なりそう。



美味しいご飯もご馳走になって、
歓迎された。


温かい、普通の家庭。


こうゆう家族になりたいな。


とものお祖父さんお祖母さんにも、
電話させてもらって、
ほんま楽しいひと時を過ごした。

作者より(10/23追記)→←6-6

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