未完成(JW 赤×緑)

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緑side


大毅くんと付き合えた。


こんな幸せでええんかな。


オメガの俺が。


ずっと、1人でもいいかなって思ってた。


そら、何気ない事で笑いあったり、
イチャイチャしたり、時には喧嘩したり、
そんなことに憧れへんかったわけやないけど。


色々考えながら、
いつもと違うドアを開ける。


｢せんせー！｣


保育室に入れば、
子ども達が走って寄ってきてくれる。


今日は人手の関係で、朝だけ2歳児クラスの先生。


去年1歳児で受け持ってた子たちやから、
覚えててくれてるねんな。


｢いろちゃん、ほのちゃん、
みーくん、たいちゃん、おはよう｣


足元に巻き付く小さな体。


子どもって癒しやわ。


｢せんせー、だいすきぃ｣


ふくふくほっぺを足に押さえつけて、
ふやふやのおめめで言うてくれる。


あかん、帰られへん。

でも、仕事やし。


｢先生、ぞう組さん帰るな？｣


｢あかんー！
かえらんとってー！
ずっと、あひるぐみさんがいい｣


可愛すぎ。


引き止められたくて、
俺もわざとしてる部分がある。


大毅くんとの子どもができたら・・・


あかんあかん。


変なこと妄想したら、
それの逆になるのが常やから。


幸せな妄想はあんまりせんことにしてる。


｢神山先生｣


さっきまで合同で5歳児も見てくれてた望先生。


｢望先生、ありがとうございます。
5歳連れて、部屋戻るわ｣


｢あ、その前に、｣


大事な話やろか。


｢今日、中間さんに会った？｣


｢ううん。
もうずっと2歳やったから。
中間さんがどうしたん？｣


｢いや、ちょっと気になって。
顔色悪そうっていうか｣


｢今日、お迎えの時、様子見てみるわ｣


｢よろしく｣


保護者の支援も俺らの仕事。


送り迎えの時に様子を見て、
何か困ってることないかなって、相談に乗れる時は乗る。


｢今日は、お泊まり保育の時に歌うお歌を歌います｣


ピアノの伴奏に合わせて、
子ども達が大きく口を開けて歌う。


｢大きな口で歌えたね。
じゃあお椅子持って、自分のお席に座ってください｣


みんなが順番に座っていく。


｢お泊まり保育のお話してもいいですか｣


1泊2日のお泊まり保育。


夏休みが明けた秋に行うのが、恒例。


5歳児だけの行事やから、
下の子たちはずっと楽しみにしてる。


今年のそら組さんも、
去年からずっと楽しみにしてた。


お兄ちゃんやお姉ちゃんがおる子は、
その前から。


みんなの顔からウキウキが伝わって、
俺もウキウキしてくる。

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