未完成(JW 赤×緑)

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緑side


｢じゅりくんとは、もうあそばへんから！
こっちこんといて！｣


保育室に響く声。
ケンカか。

5歳児のケンカは、1度見守ることにしてる。


自分たちで考えて話し合って、解決していく力を身につけるのも、
1つの成長やから。


珠里君と、明君。

珍しい組み合わせやけど。


2人は、クラスの中でもリーダー的で、
委員長みたいな感じ。


月齢もはやいし、何でも吸収する速度がいい。


｢なんで？｣


｢どーしたーん？｣

｢あきらくん、
じゅりくんになんかされたん？｣


興味本位の子供たちが集まってきた。

まあ、みんなで話し合いもありかな。


子ども同士で仲直りすることも大切。


なんて見守ってたら。


｢だって、じゅりくんのおかあさんって、
オメガやねんで。
やから、あきら、じゅりくんとはあそんであげへん｣


雲行きが怪しい。


｢おめがってなに？｣


｢オメガって、みんなにめいわくかけるねん｣


あかん、これ。


｢明君！｣


いつもより、オクターブ低い声を意識して。


怒ってるってことが伝わるように。


｢せんせー、おめがってわるいの？
バイキンマンよりも？｣


｢悪くないよ。
アルファも、オメガも、ベータも、
みんな同じ人達なの｣


｢でも、おとーさんが、
オメガはわるいひとやかや、
ぼくたちがめーわくになるって！｣


親の影響ってすごい。


子供たちは周りを取り巻く環境で、
人格形成が成される。


みんなを集めて、
人権について、子供にも分かりやすくお話することにした。


｢みんなには、おうちの人がいるよね。
先生にも、お家に帰ったら、おうちの人がいます。


みんな、中学生になった時、
第二次性検査っていう、検査をします。


そこで、みんなは、アルファとオメガとベータという、
3つのグループに分かれます。


3つのグループは、
みんなが生きていくのに、大切なグループになります。


お母さんが女の人もいるし、男の人もいるよね。
わからない子もいるよね。


それはね、みんな、変なことじゃないの。


みんな、好きな食べ物も嫌いな食べ物もあるやろ？


好きな遊びも、みんな違うやろ？


みんな違っていいの。


3つのグループに別れてるからって、
他の人は悪いとか、ダメ、ってことやないねん。


そら組さんも、ほし組さんと遊ぶやろ？
くも組さんとも、さくら組さんとも、ひまわりさんとも遊ぶやろ？


5歳じゃないから遊ばない！なんて、
みんな言わずに、みんなで仲良く遊ぼって、

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