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そんなんやなくて。


「近くのケーキ屋さんなんかな?」


疑問に思ったことを声に出してみるけど、
俺の言葉も、誰にも聞こえてない。


3人が3人、違う話を並行で話してる。


よおそれで成り立つな。


トイレに席を立つと、
さっきの香りは強くなった。


ここからや・・・


ドアノブに手をかけて、
PULLの標識通り、引っ張る。


内側から人が出てきて、
びっくりした。


甘い匂いに気を引かれてて、
鍵が閉まってたとか、今開いたとか気にしてなかった。


倒れそうになるその人を咄嗟に片手で支える。


その時香った、甘すぎる匂い。


頭が沸騰しそうで、
酔いが回りすぎてる気がした。


すぐにドアも鍵も閉めて、落ち着かせる。


動悸がやばい。


とりあえず、水で顔を洗って、
表面から冷やす。



最近、忙しかったしな。


疲れてるから、酔いも回りやすいんや。


席に戻って、べろべろ3人連れて帰る。


各自タクシーに詰め込めば、
みんな帰れるからな。


俺も家に帰れば、
明日のために寝るしかない。



あの甘い匂いを思い出したいのに、
思い出されへん。


特別スイーツが好きなわけやない。


やのに、なんであんなに惹かれたんやろ・・・







寝る直前に考えた事って、
夢に見やすい。


夢の中で、中学生の時みたいに、
クラスの中心みたいな感じで。


周りには色んな人がいて、
昨日のアニメとか、最近出たゲームの話をしてるねん。


どんどん輪の中に集まってくるのに、
1人、教室の端で座ってる子。


知らん子やのに、ずっと前から知ってる気がして。


周りにはめっちゃ魅力的な子たちがおるのに、
俺は何故かその子にずっと夢中で。


話しかけたいのに、
その場から動かれへん。


夢の中って歩くんも走るんも遅なるやん?


足が重たい。


「誰見てるん?」


「あの子・・・」


「あの子はあかんよ。
俺らのこと、むちゃくちゃにするから」


「なんで?」


「あの子はオメガやから」


「アルファとベータを誘惑して、
こっちが迷惑するんやもん」


その瞬間、俺を取り囲んでた奴らを、
気持ち悪いって思ってしまった。



逃げたいのに、逃げられへん。


あの子に近づきたいのに近づけへん。

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ななはち(プロフ) - ルナさん» ルナちゃんの癖😳このお話頑張って行きたいと思いますので、よろしくお願いします🥰 (9月20日 10時) (レス) id: ef79629cea (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - ななちゃん…ヤバイかも…私の癖をエグっていく…/// マジでこのお話大好き♡ (9月20日 7時) (レス) @page10 id: 8bee21a619 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななはち | 作成日時:2023年9月16日 21時

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