83 赤 ページ36
赤side
赤｢そこから、どんどん崩れて行ったんや。
俺が邪魔なんやって。
俺を病院まで連れてったんは、
次の日。
血はほぼ止まってたけど、傷が塞がらんくて、
焦ったお袋が連れてってくれた｣
神山の顔は、ぶっさいく。
なんなんそれ。
泣きそうなん我慢してん？
でも、ここまで言うてしまったら、
最後まで言わな、もう言う勇気なんかなくなる。
何とか、口を開く。
記憶は曖昧で、
薄暗い待合室に、俺を抱っこしたお袋と2人きりやったような。
診察室の記憶もない。
ただ、初めての寝台で、
怖くて泣きじゃくって。
麻酔なんかなくても、
泣いて疲れて寝てた。
多分な。
気付いた時には、お腹に線ができてた。
黒い糸があって。
取りに行った時も、
怖くて泣きじゃくって。
ただ、その記憶だけ。
神山はこんなまとまりのない俺の話を、
ずっと黙って聞いてる。
言うんや。
・・・・・・・
この傷から、
医者が嗅ぎつけて、
俺が昔交番に走っていったことも関連付けられて。
親父は俺らと離れて暮らすようになった。
今となっては、何がほんまかわからへん。
逮捕なのか、
俺らが親父に行き先告げずに出て行ったか。
それからお袋と2人。
時々お袋は、若い頃の、
付き合ってた時の親父の写真を眺めてた。
｢お前がおるから｣
｢この時は幸せやった｣
｢お前は人を不幸にする｣
何回も聞いてきた言葉。
ああ、俺は、お袋から親父を奪ったんやって。
お袋と2人暮らしの時も、
ずっとあの警察官が様子を見に来てくれててん。
俺と遊んでくれたりして。
そのうち、一緒に遊園地行ったり、
ご飯食べたり、家に泊まったりするようになって。
赤｢お袋と、おとんが結婚した。
その日から、俺は重岡大毅になったんや｣
緑｢しげが、しげになった日｣
赤｢たしかに｣
おとんとお袋は、籍は入れてないけど、
事実婚みたいな。
3人の生活はめちゃくちゃ楽しかった。
赤｢俺が、小2の時、お袋は出て行った。
小学校に入って少ししてから、
お袋は家に帰ってこんくなってて。
お袋が、外で男の人とおるって噂は、
狭い地域ではすぐに広まってたし。
外に男作ってたんは分かってた。
お袋から、お前がおるから。って。
ただそれだけを聞かされて。
お袋との1番新しい記憶やな。
おとんは、俺を抱きしめて寝るねん。
ああ、この人の幸せも、
俺が奪ってるんやろなって｣
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ななはち(プロフ) - おむらいすさん» おむらいすさんコメントありがとうございます🤍完結させることができてほっとしてます🤭大好きな作品といっていただけて書いてよかったと思います！私もこの作品好きです笑ぜひ良ければ次も読んで下さったら嬉しいです🥰 (2023年3月11日 18時) (
レス) id: ef79629cea (このIDを非表示/違反報告)
おむらいす(プロフ) - お疲れ様でした！更新される度に即読んでいて大好きな作品でした！次の作品以降も頑張ってください！ (2023年3月11日 15時) (レス) @page41 id: 51ec81c536 (このIDを非表示/違反報告)
ななはち(プロフ) - しいたけくじらさん» しいたけくじらさんコメントありがとうございます🤍書き手さんからそう言っていただけるのめちゃくちゃ嬉しいです🥰これからもよろしくお願いします！ (2023年2月24日 20時) (レス) id: ef79629cea (このIDを非表示/違反報告)
しいたけくじら(プロフ) - こんにちは！この作品大好きでいつも更新楽しみにしています💞これからも頑張ってください！ (2023年2月24日 19時) (レス) @page18 id: 9b6b873567 (このIDを非表示/違反報告)
ななはち(プロフ) - kikaさん» kikaさんコメントありがとうございます🤍赤君大人になってます！でもまだまだ赤君の知らない部分が緑君にはあるので、是非楽しみにしてて欲しいです！ (2023年2月24日 16時) (レス) id: ef79629cea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななはち
| 作成日時：2023年2月18日 23時
