どんないろがすき？(JW青×桃)

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桃side


ちかい。

だって、流星君とのんの手が、当たってるん！

こんなん、ドキドキしちゃう。

のん、昔からの夢の1個が、
好きな人と恋人繋ぎしてデートすること。

小学生の頃から、
姉ちゃんに借りた漫画とか、
街中で見かけるカップル見て、
のんもいつか大好きな人と手繋いで、
お出かけしたいなって。


今がその時。

流星君が、のんの大好きな人。

のん、気付いたん。

ずっと流星君のこと考えちゃうねん。

明日のお洋服どうしようとか、
1番可愛いのんを見て欲しいとか、
流星君のこと1番知りたいし、
のんのこと1番知ってて欲しい。

そんで、いっぱい笑って欲しい。

笑いかける相手はのんがいい。

のんじゃないと嫌や。

のんだけに、のんとだけ。


｢望、こっち｣


不意に呼び捨てされて、
内側に入れてくれた。

前から、ちょっとチャラめの男の子たちが数人歩いてきてて、
そっか、ぶつかりそうになってたんかもって。

のん、どんくさいし。


｢ありがと｣


｢暑ない？
どっか入る？｣


｢あ、えっと、｣


｢足、痛いんちゃう？｣


｢うん｣


バレてた。

この前一目惚れして買ったヒールは、
のんのサイズに合わへんみたいで。


｢無理せんでええよ｣


流星君のために、
可愛いん履いてきたかっただけやのに。


可愛いを作るには我慢が必要。


｢何がいい？｣


｢のんも行く｣


｢ええよ、足痛いんやから座っとき｣


姉ちゃんみたいで、優しい。

すごく、好き。


きゅんてする。

流星君が優しく笑う度、
初めの、冷酷な、青い印象からどんどん遠ざかって、
ピンクで可愛い色になっていく。


流星君が選んでくれたホワイトモカ。

ふわふわしてて、甘くて。

恋の味。


｢望、可愛ええな｣


ストローで飲んでたら、
不意に流星君が呟いた。


望。

そう呼ばれただけで、
こんなに心臓がドキドキしてるなんか。


｢ふは、望真っ赤っかやん｣


ほっぺが熱くなって、
アイスのホワイトモカを吸い込む。


｢ふは、焦らんでも逃げへんで｣


また、笑窪が見えて、のんまで嬉しくなる。

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