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五話 ページ6

一目惚れなんて都市伝説かと思ってた。
でも、都市伝説じゃない。私、先生に一目惚れしたの??

あの後私は家で1日悶々と考えた。
どうしても先生が頭から離れない。
でもラチがあかない。
私は土籠先生が好きなんだって!と、自分に言いきかせると私は直ぐに布団に潜って枕の下で叫んだ。

ありえないありえない。
だって教師と生徒。しかも担任。しかもしかも、一目惚れ?
いや、実際教室で一目は見てるから二目惚れ?私先生に二目惚れしてるの?

でも初恋の私に答えがやって来てくれる訳でもなくて、私はそのまま朝を迎えた。



「おはよう。」

藍の挨拶に私はおはよう、と返す。
でもこれから先生が来るとなるとどうも挨拶がぎこちなくなってしまい、藍に「何かあった?」と聞かれてしまった。

何かあった?って言っていいのかな、教師と生徒の恋なんて(但し生徒の一方通行)。
でも質問には答えなきゃ、と焦って焦って結局口に出たのは

「お花とシャボン玉の甘い匂いと、煙草とインクの苦い匂い、どっちが好き?」
というなんとも可笑しな答えになってないものだった。
ぶっちゃけここまで来たなら恋愛経験ありそうな藍に全て聞いてしまえ、という自暴自棄な考えも入っている。

藍は「なんだそれ」と笑った後、「うーんそうだな…。」と呟いて

「私はどちらかと言えば甘い方かな。」
「その心は?」
「いやー…煙草って、なんか体に悪そうだなって思ったから。」

なるほど、体に悪そう、確かに。

じゃあ
「二目惚れって、した事ある?」


「何それ、自分で作ったの?言葉」
笑いながら返す藍に私も笑い返す。
「うん、今年の流行語大賞に入るかも!」
「ないない」
「あるよー」

実際私の中ではもう流行語大賞これなんだからね。
「うーん…イケメンの先輩になら一目惚れしたことあるけど、二目惚れは無いかな〜。」

そう言って笑う藍。
私は恋愛経験ありそうな藍とことごとく意見が食い違って自分でも分からなくなってきていた。


「ねぇ、もし二目惚れして苦い匂いの方が良かったら恋だと思う?」

藍がびっくりしたように私を見た。

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レナ - 私も土籠先生推しです! (2021年3月28日 15時) (レス) id: 2bc4f3e9d1 (このIDを非表示/違反報告)
すばる - ファブリーズの匂いの土籠先生で吹きました〜、めちゃ面白いです◎ (2020年3月4日 13時) (レス) id: 14827cf9ea (このIDを非表示/違反報告)
パニリン - 面白いので是非更新お願いします (2020年2月16日 22時) (レス) id: f163eb0bcd (このIDを非表示/違反報告)
繋(つなこ)(プロフ) - 透空さん» 本当ですか!?土籠先生推しとしてめちゃくちゃ嬉しいです!ありがとうございます! (2019年1月24日 23時) (レス) id: d7f081f2ef (このIDを非表示/違反報告)
透空(プロフ) - とっても面白いです!花子くんと輝くん推しですけど、土籠先生も良いなってこの作品を見て思いました。更新頑張ってくださいっ。 (2019年1月24日 23時) (レス) id: 3bf9f61dac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年1月24日 19時

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