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四話 ページ5

目の前の先生は、教室とはまるで雰囲気が違っていた。

教室ではニコニコ笑っていた顔を一変、ただ私をじっと見つめていた。

教室では眼鏡が反射して見ることが出来なかった目は切れ長で鋭く、深い宝石の様な色の瞳が私の目線を離さない。
吸い込まれそう。まるで何かに誘われているようだった。

先生の瞳に映る私を見て「あ、私と先生目が合ってるんだ。」なんて思ったらどんどん恥ずかしくなってきて思わず目を逸らしてしまう。

めちゃくちゃ顔整ってるやんけ、と心で1人ツッコミを入れる。
目しか見てないんじゃないの、目と目が合ってるの、なんて一人で謎の言い訳を考えたりもした。


心臓がやけにうるさい。

今私先生と見つめ合って何秒たってた?

うるさいうるさい、なんでそんなこと。初恋まだの乙女じゃあるまいし、いや、初恋まだなんだった私。


「あの」
「ハイ!」


この気持ちを誤魔化すように返事をして先生を見ると先生は”教室の先生”に戻っていた。
ニコニコした笑顔を見てもまだ心臓はドキドキしたままだけど、少し安心したような残念な気持ちが漂う。

「だ、大丈夫ですかね?」

「だ、大丈夫デス…」

支えられた手を離されて立たされる。
先生の手がお腹あたりから外れただけなのに、自分の足で立った瞬間いつもより寂しく感じた。

お礼を言わなきゃ…と先生へ向き直る。

まだ背中がじんじんと暖かい。
先生の温もり?私は変態か。
人の体温が暖かいなんて当たり前じゃん。
なのになんで先生のだとこんなに寂しく感じるの?

ってアホか。
まるで私が今先生に恋したみたいじゃん。
そんな私が、先生を…




「……好き?」

「「…え?」」

先生と私の「え?」がハモった。
勿論今「好き」と言ったのも私。
目の前の先生は困った顔をしていて、私は(やってしまった)と悟る。

「あっ、ありがとうございました!私急いでるので帰ります!!さようなら!」

お辞儀をしてダッシュで家へと駆け出す。後ろから先生が何か言っているのが分かるが聞く暇なんてないくらいに走った。ちなみにもう学園を探険する暇なんてなかった。


さっきの事がリプレイでずっと頭に流れる。
混乱した頭で唯一分かったのはどうでも良くて、大切かもしれないこと。

初恋はお花とシャボン玉の甘い匂いなんてしない。


私の初恋は煙草とインクの苦い匂いだ。

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レナ - 私も土籠先生推しです! (2021年3月28日 15時) (レス) id: 2bc4f3e9d1 (このIDを非表示/違反報告)
すばる - ファブリーズの匂いの土籠先生で吹きました〜、めちゃ面白いです◎ (2020年3月4日 13時) (レス) id: 14827cf9ea (このIDを非表示/違反報告)
パニリン - 面白いので是非更新お願いします (2020年2月16日 22時) (レス) id: f163eb0bcd (このIDを非表示/違反報告)
繋(つなこ)(プロフ) - 透空さん» 本当ですか!?土籠先生推しとしてめちゃくちゃ嬉しいです!ありがとうございます! (2019年1月24日 23時) (レス) id: d7f081f2ef (このIDを非表示/違反報告)
透空(プロフ) - とっても面白いです!花子くんと輝くん推しですけど、土籠先生も良いなってこの作品を見て思いました。更新頑張ってくださいっ。 (2019年1月24日 23時) (レス) id: 3bf9f61dac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年1月24日 19時

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