一話 ページ2
四月のはじめ。
教室に入り、黒板に貼ってある席順のプリントを見て、自分の席に座る。
窓際の後ろから二番目。空気が吸えるし一番後ろは変に目立つし丁度いい席だ。
席に座って教室を見渡す。
なかなか時間ギリギリで来たので、みんな席が近くの人だとか、前から仲が良かった人だとかと話していて、転校してきた私が話に入る隙は無さそうだった。
私は机に頬ずえをついて何となくこれからの一年を考える。
考えたからってどうなる訳でもないけど、一二に転校、三に転校みたいな私にとってこれは密かな楽しみであった。
(これで中学生も最後なんだし、彼氏欲しい。
今まで片思いすらしたことないけど今年こそ彼氏とデートしたりしたい。
手を繋いだり、き、キスとか、しちゃったり?
学年1のイケメンに告白されたり??)
「…ふふ、ふふふっ…。」
思わず声が漏れる。
普段なら誰もが『ありえない』と一蹴りするような夢物語も、今なら叶えることも出来そうな気分だった。
「ねぇ。」
不意に後ろから声をかけられる。
誰かの声で私の脳内の夢物語が途切れた途端、妄想していた事を冷静な頭で思い出して一人恥ずかしくなる。
(妄想の内容がバレてませんように!)なんて、考えても無駄な心配をしながら声の方へ振り向いた。
振り向くと、そこには席から上半身を乗り出した女の子がいた。
長くて毛先がカールしている髪に少し化粧をしていて可愛い。
「元何組?名前は?」
その子は私を見てニッコリ笑う。
「私は保志A。転校してきたんだ。」
すると彼女は納得した顔で
「あぁ!どうりで見たことないと思った!」
と言った
そして「急にごめんね?」と申し訳なさそうに手を合わせた後、
「私中岡藍。藍でいいよ!堅苦しいのそんな好きじゃないから。」
眩しい笑顔で言ったのだった。
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レナ - 私も土籠先生推しです! (2021年3月28日 15時) (レス) id: 2bc4f3e9d1 (このIDを非表示/違反報告)
すばる - ファブリーズの匂いの土籠先生で吹きました〜、めちゃ面白いです◎ (2020年3月4日 13時) (レス) id: 14827cf9ea (このIDを非表示/違反報告)
パニリン - 面白いので是非更新お願いします (2020年2月16日 22時) (レス) id: f163eb0bcd (このIDを非表示/違反報告)
繋(つなこ)(プロフ) - 透空さん» 本当ですか!?土籠先生推しとしてめちゃくちゃ嬉しいです!ありがとうございます! (2019年1月24日 23時) (レス) id: d7f081f2ef (このIDを非表示/違反報告)
透空(プロフ) - とっても面白いです!花子くんと輝くん推しですけど、土籠先生も良いなってこの作品を見て思いました。更新頑張ってくださいっ。 (2019年1月24日 23時) (レス) id: 3bf9f61dac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:繋 | 作成日時:2019年1月24日 19時