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「亜由ちゃん、いい加減触るのやめなさい」
「だって、あの人絶対A目当てなんだもん」
「はあ？」
「うわ、可愛くない声」
亜由ちゃんの手が離れていく。
私から身体を離すと亜由ちゃんの不服そうな顔が見えるようになった。
そりゃあ可愛くない声も出るというものだ。
何をどうすればあのお客さんが私目当てなんて話になるのか。
私が眉をひそめているからか亜由ちゃんは肩をすくめた。
「でも、私じゃなくてAが目的なのは本当。話の内容はあんたについての質問ばっかりだもん」
「なにそれ聞いてないんだけど」
「だって言ってないもん」
半分文句を含んだ私の言葉に亜由ちゃんはケロリと言ってくるんと私に背を向ける。
「ありがとうございました」
見れば最後のお客さんが帰るところのようで、私は亜由ちゃんや松本くんに倣ってぺこりと頭を下げる。
扉が閉まると店長の「お疲れ様ー」という声とパンパンと鳴らされた手のひらの音がした。
松本くんと店長が片付けに入り始めるのを見て私も立ち上がる。
「ちょっと亜由ちゃん」
そそくさと片づけに加わろうとする亜由ちゃんの手を私はパシッと捕まえた。
「まだ話は終わってない」
「えー、終わったじゃない。あんたのファンだって」
「だから、そこを詳しく聞かないと」
じっと見つめる。
亜由ちゃんは面倒そうにため息を吐いた。
「詳しくも何も、それ以上の話はないよ。あんたのこと聞かれたんだってば」
「……なにを」
亜由ちゃんは私の言葉に会話を思い出す様にしながら答える。
「あんたがいつから働いてるかとか、名前とか、年齢とか……そんな感じよ。よくある話でしょ」
「それは……まあ……」
そう言われるとそうなんだけど。
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iCHiKA(プロフ) - のりさん» のり様、お久しぶりです！お待たせしてました、久々の今回は「キスしたいだけ」でございます。こちらこそ今回もありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。お楽しみいただければ良いのですが。今回もぜひ最後までよろしくお願いしますね！ (2021年9月8日 21時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - キタ。今回はキスをしたいだけのお話なんですね。しかも思いがけず長編連載。ありがとうございますm(__)m 既に続きが楽しみすぎです。あ、こんにちは。お疲れ様です。余談ですが私にも亜由ちゃん同様カワイ子ちゃん(3人)がいますw (2021年9月8日 16時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2021年9月4日 16時
