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実莉さんの方はどうなんだろうなと私は勝手に想像する。
確かに仕事人間ではあるけれど社長は若いうえに地位もお金もあって顔もいい、結婚するにはかなり好条件な気がする。
それならば、そうそう嫌いにはならなそうなものだけど。
なんていうのは一般論か。
実莉さんも大企業の令嬢、結婚相手にはこだわりがあるのかもしれないし。
「でも、デートが上手くいけば関係を向上させられるのでは」
「そう思うしかありませんね」
それにしては社長は浮かない顔だ。
首をひねる私に気付いたのか、社長が眉を寄せたまま口を開く。
「実は、その頃には大口の商談が控えてて、ぶっちゃけデートになんて行ってる場合じゃないんだよ」
「そうなんですか……」
社長がずっと渋い顔をしているのはそういうことか。
婚約者の機嫌を取るよりも商談の方が今は大事、と言うことらしい。
「なんとか休みをこじ開けようとは思ってるけど、当日にも話し合いが入ってて。うちだけじゃなくていくつかの企業が競売になっててさ、本当は休みを作ろうとするのもリスクなんだけど」
困った顔で、社長は息を吐く。
私にはわからないけれどよほど大事な商談なのだろう。
「でも、東金のリスクマネジメントは必要だから仕方ない。実莉との婚約をなかったことにするわけにはいかないから」
「……そうなんですね」
私はさっきから社長の言葉に同じような相槌を打つことしかできない。
政略結婚とはこういうことなんだと私は眼前に突き付けられている気分になった。
少なくとも社長にとって実莉さんの存在は会社にとって必要なもの、であって、決して好きな人ではないのだろう。
だから社長は言うのだ、リスクマネジメントは必要だと。
実莉さんの方が社長をどう思っているかはわからないし、社長だって一応将来の夫人を気遣おうという気はあるようだけど。
少なくとも好きで一緒にいた私とあの人のような、そんな関係ではないのだ。
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iCHiKA(プロフ) - のりさん» のり様、お久しぶりです！お待たせしてました、久々の今回は「キスしたいだけ」でございます。こちらこそ今回もありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。お楽しみいただければ良いのですが。今回もぜひ最後までよろしくお願いしますね！ (2021年9月8日 21時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
のり(プロフ) - キタ。今回はキスをしたいだけのお話なんですね。しかも思いがけず長編連載。ありがとうございますm(__)m 既に続きが楽しみすぎです。あ、こんにちは。お疲れ様です。余談ですが私にも亜由ちゃん同様カワイ子ちゃん(3人)がいますw (2021年9月8日 16時) (レス) id: 18c83a81d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2021年9月4日 16時
