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両親はまだ眠れない、じっと息子の寝顔を見つめている。
息子の温もりを感じる。
佐和子はそっと雅紀の身体を抱きしめて、小さな声で囁いている。
宗成は雅紀の頭をそっと優しく撫でている。
「まさ・・まさ・・雅紀・・」
自分の胸に抱き寄せて、何度も何度も名前を呼ぶ。
起きている時には呼べない。
泣きながら、眠っている我が子の名前を呼ぶ。
「雅紀は雅紀」
「まさ・・・まさ・・・」
ずっと小さい頃そう呼ぶ声が雅紀の頭の中に響く。
懐かしい匂い。
憶えている腕の感触、包まれる安心感。
雅紀は浅い眠りからぼんやり目を覚ます。
自分を抱きしめてくれる優しい腕、何度も頭を撫でてくれる大きな手。
「かぁ・・・ちゃ・・・と・・ぉ・・・ちゃ・・・」
そのまままた眠りの中に入ってしまう。
櫻井はゆっくり布団から起き上がった。
宗成も起き上がった。
佐和子は小さく震え出した。
そっと腕の中の息子の顔を見つめる。
「おばさん・・」
「・・いいの、夢でもいいのっ・・」
「佐和子」
「まさ・・まさ・・」
「うん」
「かぁちゃって・・とぉちゃってっ・・・・」
「そうだな」
「雅紀っ・・」
佐和子は泣きながらまた雅紀をそっと抱きしめた。
もう「母ちゃん」と呼ばないかもしれない。
これっきりかもしれない。
あの日から・・諦めていたあの日から。
たった一度でも、呼んでくれた。
両親には忘れられない日になった。
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SEN(プロフ) - 碧さん» こんばんは。両親にとって忘れられない日になりました。お母さんには辛かったけれど、やはり親子の絆でしょうかねぇ。 (2014年9月14日 22時) (
レス) id: d00166a755 (このIDを非表示/違反報告)
碧 - こんばんは。さーちゃんも大きな壁乗り越えましたね。雅紀の料理を食べたり、川の字で寝たり、２人にとっては最高の休日ですね。 (2014年9月14日 21時) (レス) id: 72328cd3b4 (このIDを非表示/違反報告)
SEN(プロフ) - まさきさん» お早うございます。 そう思って読んでいただきありがたいです。やっと呼んでくれました(^O^) (2014年9月14日 8時) (レス) id: d00166a755 (このIDを非表示/違反報告)
まさき(プロフ) - おはしょうございますぅ いっつもあったかぃ気持ちになりながら読ませていただいてますです(*^^*) 『とぉちゃ、かぁちゃ』嬉しいです 優しい気持ちになれました (2014年9月13日 10時) (レス) id: 7aab669516 (このIDを非表示/違反報告)
SEN(プロフ) - 碧さん» お早うございます。みんなが悔しい思いをし、泣いた一日だったでしょうね。さすがに智お兄ちゃんですね(笑) (2014年9月9日 10時) (レス) id: d00166a755 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：SEN
| 作成日時：2014年9月2日 10時
