・・１５９・・ ページ9
・
櫻井は庭のテーブルに２人分のお茶を出した。
雅紀にはちょっと甘いミルク。
掃除を再開した櫻井は庭からの声を聞いている。
「ばっちゃ」とは何でも屋のおばちゃんの事らしい。
「ばっちゃ、おはな・・んとぉ・・かわいい？」
「そうだな、可愛いな」
「まさきのとこにいっぱいある」
「嬉しいか？」
「うん！」
その数週間後。
庭から雅紀の泣き声がする。
櫻井は朝一番の洗濯物を干していた。
慌てて雅紀の傍に行く。
「どうしたの？」
「おはな・・ない」
「ん？」
「ここも・・あそこも・・ない」
花の咲いてる時期が終わったのだ。
櫻井が見渡して１つだけまだ咲いてるスミレを見つけた。
雅紀の手を引き、その前に連れて来た。
だが、もう今にも萎れてしまいそうだ。
雅紀には「来年」という言葉は判らない。
「１年」という月日の長さも判らない。
さて、どう説明しようか。
「しょちゃ・・ない」
「このお花はね、今からおやすみの時間なんだ」
「おやすみ？いつおきる？」
「雅紀がいっぱい寝てからだよ」
「いつ？」
「楽しみに待ってよう？」
「う〜〜〜」
「いつか、また雅紀に見つけてもらうまで眠っているからね」
「まさきがみつける？」
「そう、いっぱい寝てお庭に出たら、起きてるかもしれないよ」
「おはな・・おやすみ」
「そうだね、おやすみだね」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 310人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SEN(プロフ) - 雅葵(*^◇^*)さん» こんにちは。翔ちゃんもおバカですねぇ(笑)可愛い雅紀がまた書けて嬉しいです♪作者もほっこり・・。 (2016年5月30日 13時) (
レス) id: 1808d14437 (このIDを非表示/違反報告)
雅葵(*^◇^*)(プロフ) - んふふっ、しょぉちゃんやっちゃいましたね〜。あまえんぼまちゃき、かわゆぃです（＾◇＾） 怪我したまちゃきは災難でしたが、のんびりとした日常感が伝わってきてほっこりします♪ (2016年5月30日 7時) (レス) id: 0db9575c42 (このIDを非表示/違反報告)
SEN(プロフ) - るなさん» こんばんは。ふわふわタオルに突っ込む雅紀を見てみたい作者です(笑) 翔ちゃんはあまり余裕はありませんが、これくらいはね・・。本編では余裕はなかったと言ってますから(^^ゞ (2016年2月3日 19時) (レス) id: 5eed3ccf8f (このIDを非表示/違反報告)
SEN(プロフ) - 雅葵(*^◇^*)さん» こんばんは。翔ちゃんも頑張ってます(＾◇＾) 小さな事、何でもない日常の事を嬉しく感じられるっていいですね。 (2016年2月3日 19時) (レス) id: 5eed3ccf8f (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - SENさん、久々の可愛い雅紀。ふわふわタオルに顔を突っ込む雅紀を怒れる人なんかこの世にいないでしょう！翔ちゃんも少しずつ余裕が出たのですね、ほんわり優しい日常が素敵です。 (2016年2月3日 9時) (レス) id: 238942a662 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：SEN
| 作成日時：2015年8月12日 21時
