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暑いのはデザートで逃しましょう 後編 ページ9

「...負けた....」
「よっしゃぁ!」
なんか大人げないなぁと苦笑しながらキャラメル味をフラヴィオに配り、負けたクロエにソーダ味を渡す。ハリスは無難にバニラ味、アリアンナは苺を取りベルトランは抹茶、自分は最後のチョコを取り皆でいただきます。
5分の1ほど溶けかけているが気にせずスプーンを動かし口に運ぶ。瞬間に広がるチョコの風味と独特の味が鼻を抜け、溶けたあとの苦味が口に残る。
「冷たくて美味しいです〜」
満面の笑みを浮かべながらアイスをすくったアリアンナが言う。それに同意するようにクロエも続ける。
「この味、好きかも」
先ほどはキャラメルが取れず不機嫌になりかけていたがどこへやら、上機嫌になりきれいな水色をしたアイスをパクつく。ハリスとフラヴィオもソファに座り一心不乱にアイスを食べているが一気に食べ過ぎたのか揃いも揃って頭を抱える。
どうやらアイスの冷たさが頭に来たようだ。あまりにも同一した動きだったので二人以外そろって吹き出す。
「そんなに急いで食べっからだよ...しかしうめぇな」
殆ど食べ終わってしまったベルトランが呟く。どこで買ってきたんだ?という問いに残り少ないアイスを食べながら答える。
「異国の人が珍しく移動式の荷車押していたからアリアンナが手伝ったんだよね、それでお礼にって人数分くれた。」
「つまり嬢ちゃんの手伝いあってこそのアイスだったわけだな、ありがとよ」
「いえ、困っている人を見かけたら助けるのが当たり前です!」
二人がしゃべっている間にソファに座り痛みに耐えてるような顔をしている別の二人に暖かいお茶を作り差し出す。一気に飲むとわかっていたのであくまでも暖かい程度だがかなり落ち着いたようだ。
「ふう、サンキューな、モカ」
どういたしまして、というと同時にコンコンとドアがノックされる。
はーいとアリアンナが扉を開くと褐色の肌をもった料理服を着た料理人、レジィナが立っていた。
「お前たち、全員いるのか」
「あれ珍しいですねレジィナさん、ここに来るなんて」
フラヴィオの言う通り普段は銅羊の狩採処に居り、料理を作っている身である。なぜと言う前にレジィナの持っている袋が目に入る。そしていましがた全員が食べ終わったアイスが入っていた袋を見る。
同じ麻の、同じ模様。まさかと思う前にレジィナが言葉を続ける。
「今日は暑いからな、辛いと思って買ってきたんだ、ほれ」
袋をアリアンナに渡すとすぐに出ていってしまう。
皆ぽかーんとし笑ったのは別の話。

私達の勇者様! 前編→←暑いのはデザートで逃しましょう 前編



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ルカ(プロフ) - アクアさん» ですね、でも緑川さんボイスが聞けるならそれでいいww (2015年3月27日 8時) (レス) id: 6da7226dd0 (このIDを非表示/違反報告)
アクア(プロフ) - ルカさん» コメントありがとうございます ハリスは無言キャラなんですけれども、出てくるキャラ全員に喋らそうとしているので他の新・せか2の小説に比べたら多弁になってるかもしれませんw (2015年3月27日 8時) (レス) id: 192b5136e9 (このIDを非表示/違反報告)
ルカ(プロフ) - まさか新世界樹IIがあるとは思ってませんでした!現パロ面白かったですwハリスはやっぱ無言キャラですよねww (2015年3月27日 8時) (レス) id: 6da7226dd0 (このIDを非表示/違反報告)
アクア(プロフ) - あおりんごさん» そうですね、お互いに頑張っていきましょう〜 (2015年3月25日 12時) (レス) id: 0c4e8ca296 (このIDを非表示/違反報告)
あおりんご(プロフ) - アクアさん» いえいえ、ゆっくりなのはこっちもなので、おたがいがんばりましょう! (2015年3月21日 19時) (レス) id: 6f2f04b740 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アクア@ギンコイケメンすぎ生きつら | 作成日時:2014年11月16日 12時

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