お仕事3つ、賃金上昇 ページ3
「ホラ印鑑押せ」
『うわ、私の名前書いてある。コレ悪質な嫌がらせですよ』
突き出された婚姻届を丁寧に破り棄て月満へ返す。背後では「あはは」と泣いて笑っている狼谷がいた。
「はは!!あはははっ!!Aちゃんに振られてる!!破り捨てられてるし!!婚期逃しちゃうねー!」
「なにがうわ、だ。ぜってー印鑑押させてやる!」
婚期は逃さないという事なのか、狼谷と月満は告白台詞をふざけながら考えている。
__なんだ、元気じゃん。良かった
この雰囲気が一番落ち着くとAは口元を緩ませた。
「お帰り、元気だった?」
『まぁ、ボチボチと。二人は?』
「社畜社畜。弓ちゃんと二人で色んなの舐めてた」
「んなわけねぇだろ!」
『吊戯さんは良いとして、弓さんはないわー』
「お前ェ…マジで…」
御馴染みの会話もオチがなく通りかかった露木に止められるまで永遠と続いていた。楽しい会話を終え副支部長の塔間の元へ足を進める。
”何故”車守はまだ休んでいるのに自分だけ
”何故”彼を救えなかったのか
”何故”と疑問に思う事は沢山ある。だがAは口に出さない。口にしたら現実を直視しないといけないからだ。特に自分と車守の休む理由となった事件の真相は。
『失礼します』
普段から塔間がいる部屋にノックをし中に入る。開けるとそこには塔間の姿がやはりあった。
「__広瀬には、怠惰の真祖の偵察を行って欲しい。今、怠惰の元には色欲と傲慢、強欲がついている。もう少しで車守も復帰だ。それまでは監視しているだけで良い。何かあったら捕縛しろ」
『…何で私なんですか』
「君はまだ”壊れていない”だが精神の安定剤がなくなった今”壊れかねない”
まだ君にはやらないといけない事がある。ただそれだけだ」
自分を物として扱っているのは知っている。歯向かってはいけないのも知っている。だから命令は聞かないといけない。
何も言わず重い空気の部屋から出て行く。威圧感から息がうまく吸えなかったので、ゆっくりと呼吸をした。
AはC3のコートを持ち、支部を後にする。月満と狼谷は任務を遂行しに街に出るそうだ。
もっと話していたかったなと口ずさみあたりを見渡す。東京は土地は狭いが規模はでかい。流すのに一苦労だと考えたAは電話を掛ける。
『もしもし、広瀬ですよ』
「知ってますよ。さっきも会いましたから」
『露木君。怠惰の場所教えて?』
「そう来ると思って居場所を特定しておきました」
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葵 - すみません!私も誤字ってました!(>人<;) (2017年6月13日 18時) (レス) id: c2fac8b8e1 (このIDを非表示/違反報告)
真弓 - 誤字がありましたよ、髪が紙になってます。 (2017年6月13日 11時) (レス) id: c2fac8b8e1 (このIDを非表示/違反報告)
真弓 - 初めまして!面白かったです!便新頑張ってください! (2017年6月13日 9時) (レス) id: c2fac8b8e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マオ x他1人 | 作成日時:2017年4月16日 8時