お仕事2つ、賃金上昇。 ページ2
薄暗い部屋の中、目を覚ます。
熟睡まではいかずとも身体はしっかりと休んでいた。彼女は身体を起こすと携帯を見る。
___世界情勢は何も変わらない。特に変わった事もなく平凡が続いている。
だが、彼女には平凡な毎日は訪れなかった。携帯の通知は一件。電話が来ていた。
予想はおおよそ付いていた。呼び出しの連絡だろう。人手が足りない職場は大変だな、とAは悟った。
Aは連絡先から名前を見つけ通話を押す。二、三回コールでコールは鳴り終え「もしもし」と少し不機嫌そうな声が端末から聞こえた
『弓さん、どうしたんですか?いつにも増して不機嫌そうですね。笑えます』
「あ”?なんか言ったか抱くぞコラァ」
『あはは、一度も抱いた事ないのに面白い事言いますね。そういうとこ私、好きですよ』
「お前、支部に戻ったら覚悟しとけよ、婚姻届に名前書かせてやる」
「嫌だね」とたわいのない会話が続く。ただじゃれ合いも不思議と笑えてきた頃、相手の月満弓影が本題に話を触れた。
「で、塔間が呼んでんぞ。「もういいだろ」だってよ」
『…やっぱりそうですよね。うん。分かった、戻るよ。有難う弓さん』
そう言って携帯の電源ごと落とした。「あ、おい」みたいな声が聞こえてきたが気にしない。Aは長い髪を結い、耳にかけ首に月の模様のネックレスをかける。身支度を軽く済ませ家を出た。
久しぶりに昼間の外へ来たが街並みはさほど変わりない。仕事を休んで早数ヶ月。ただ家でボーッとしているだけで一日が過ぎた。
退屈で楽しくない日々だったし力が湧いてこない、それに精神が安定しない。
いつも二人で行動してきたから独りきりの生活に慣れないのだ。
「はぁ…」と溜息をついた頃には東京支部に着いていた。認証を押し厳重なセキュリティを終えやっとの事で中に入れた。
『あ、吉本さん!!お元気でしたか?』
「Aちゃん!元気だったよー、強いて言うなら車守が休んでるから他の闇夜トリオが静かだった事が気がかりかな?」
吉本と別れ、会う人全員と会話していく。皆が口にするのは殆どが戦闘班の3人の事。車守が帰ってきていないから他の二人がバカやっているのだろうと思っていたAの予想は外れていた。
『お二人さん、いますー?』
といつもの部屋に顔を出し状況を確認しようとしたAに紙が突き出される。その紙を見たら月満弓影と書かれていた、隣の隙間には自分の名前が書かれている。
よく見ればその紙は”婚姻届”だ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 30人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵 - すみません！私も誤字ってました!(＞人＜;) (2017年6月13日 18時) (
レス) id: c2fac8b8e1 (このIDを非表示/違反報告)
真弓 - 誤字がありましたよ、髪が紙になってます。 (2017年6月13日 11時) (レス) id: c2fac8b8e1 (このIDを非表示/違反報告)
真弓 - 初めまして！面白かったです！便新頑張ってください！ (2017年6月13日 9時) (レス) id: c2fac8b8e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：マオ x他1人 | 作成日時：2017年4月16日 8時
