『怒涛の勢い』 ページ33
そうして流れるように時は進み、はや3日経った。Aは薄暗い森で途中見え隠れする月を眺めつつ竜車の中で1人先日の出来事を思い馳せる
まさか自分がフェルトの指導をすることになるとは思っても見なかった
それは主であるエミリアが自分が成長するためと1人でこなそうとする彼女に声をかけられることも、またかけることもなかったからだ
もちろんエミリアは性格上とはいえ、フェルトは元々王選に参加する気は0に等しかったのは確か。そんな中ラインハルトはさも自然に彼女の感情を動かす。さながらその姿は掌握しているかのようだった
自分の脳裏に浮かぶのは悪意のないラインハルトの笑み、掌握などとは言いがかりもいいほどだろう
『それに3日でそれなりに腕も立つようになったのはありがたかった』
気持ちが晴れた夜のこと、客間に案内された後に1人剣の手入れをしていた時に就寝前の声かけに来たラインハルトが提案した形で成り立った鍛錬
現役の剣聖に剣技をつけてもらえるなどと思っても見なかったので一瞬は躊躇ったもののありがたく胸を借りた
急所へ素早く回る技術と練習方、相手の死角をつくために大切なのは死角の見抜き方ではなく死角の作り方だとか等々。自分との経験の差を見せつけられたと同時に自分の心に火がついた気がした
『身に付けたことを活かすことができるよう努めたいけれど、大前提としてそのような事態が起こらない様に精進する方が正しいよね』
こうしている間に森を抜け真夜中、やっとの事でメイザース領についた時異様な違和感に気がつく
淀んだ空気、背筋に冷や汗がつたる。緊迫感を押し殺し玄関を開け長い渡り廊下を歩く
何か普段と違うところはあるか、不審なものはいないか逐一確認はしないが自分が探せる範囲で行うと扉渡りを破ってしまいベアトリスが顔を出す
「今日は厄日なのかしら。ベティーの邪魔はしないでほしいのよ」
『______ベアトリス様、率直に言います。屋敷の中で_』
そう言い掛けた時だった。Aの突然意識が朦朧とし始める。身体がどんどん重力に耐えられないかの様に下へ下へと立ち崩れる最中ベアトリスは言った
「____今から行っても遅いのよ。アイツはもう手遅れなのかしら」
ベアトリスに見下ろされながら次の瞬間完全にAは意識を失った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 93人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マオ(プロフ) - マリオさん» コメントありがとうございます！質問の返事ですが勿論います。ですが立場上からして恋愛にまで至るかと言いますとうーん…ですかね？でも、ゴールインさせてあげたいなと思っております！！ (2017年5月11日 11時) (
レス) id: d7377fb34e (このIDを非表示/違反報告)
マリオ - とても面白くて、いつも楽しみにしています！ちなみに質問です！夢主ちゃんはリゼロのキャラクターで恋愛対象or気になっているキャラはいますか？ (2017年4月28日 19時) (レス) id: aa6f182c0d (このIDを非表示/違反報告)
マオ(プロフ) - まっすーさん» コメントありがとうございます。嬉しい限りなのですが原作を元に書いているので私自身の実力ではありません…貴方様のご期待に添えるよう私自身頑張っていきますので暖かい目で見ていただけると幸いです。コメントありがとうございました!! (2017年3月30日 12時) (レス) id: 9810e421d7 (このIDを非表示/違反報告)
まっすー(プロフ) - こんにちは。こちらの小説とても面白く拝見させて頂きました！主人公の立ち位置やストーリーの軸など他の小説とは一線を画す印象がありました。更新楽しみに応援させて頂きます、頑張ってくださいませ！(^^) (2017年3月25日 13時) (レス) id: 5ef75048d5 (このIDを非表示/違反報告)
マオ(プロフ) - 赤葦*棗さん» こちらこそこの作品を見ていただいて感謝しています！更新も頑張ってまいりますので温かく見守ってくれると嬉しいです!!コメントありがとうございます!! (2017年3月18日 10時) (レス) id: 9810e421d7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ななし x他2人 | 作成日時：2017年3月11日 2時
