泣き顔〜チャンミンside〜 ページ33
新しいグループがデビューする事は前々から聞いていた。
その御披露目と顔合わせがあると言うので、日本ツアーの合間に帰国した僕とヒョン。
SMFAMILYが一同に会するなんて、SMTOWN以外にそうある事じゃない。
大会議室に集まった面々は、お喋りに華を咲かせている。
ざわざわするその場所に、社長はじめ役員が入って来ると、一瞬で空気が変わった。
新グループのコンセプトとメンバーの紹介が終わり、談笑し始めた室内に響いた社長の一言。
社長『モデルのAIは、今後一切メディアに出る事は無い。』
それが何を意味しているのか……。
僕らが…、ヒョンが懐いていた一縷の望みが崩れた瞬間だった。
咄嗟に見たヒョンの様子。みるみる顔色を無くしていく。
１つ大きなため息を残し、会議室を出て行く後ろ姿に 僕は声をかける事すら出来なかった。
そして、彼女の無事を願うもう１人は…。
呆然と立ち尽くしたまま一点を見つめていた。
居たたまれなくなった僕は、込み上げる思いを押し殺して休憩室に向かった。
項垂れる僕とは対称的に、すれ違うスタイリスト達はどこか浮き足立っている。
それがよりいっそう僕の気持ちを沈ませていった。
自販機でコーヒーを買って顔を上げた時、喫煙室の中に、見覚えのある後ろ姿があった。
゛まさかそんな…。嘘だろ…？゛
それは紛れもない、みんなが無事を願っていた女性(ひと)。
僕には気付いていない。
１年前より、少し大人っぽくなった？
ダメだ。目の前が霞んでちゃんと見えない。
チャンミン『なんで…、なんで連絡しなかった？』
彼女は驚いた表情を見せる。
A『日本じゃなかったの？』
沈黙が流れる。言いたい事は沢山あるのに…。
A『チャンミナ……』
そう呼ばれた時には、抱きしめていた。
チャンミン『どれだけ心配したと思ってる？…ヒョンがどれだけ落ち込んでるかわかるか？…探したんだぞ…。みんなで…ずっと探してたんだぞ…』
A『…ごめん。ごめんね。連絡したかったけど、逃げる時に携帯…無くして…。ごめん。…ただいま……』
不覚にも、泣いてしまっていた。
Aも、ずっと泣いていた。
チャンミン『泣き顔不細工だよ。ヒョンに、ヒョンの所に行こう。待ってるよ。ヒョン、ずっと待ってた。』
僕はAの手を引いて、ヒョンを探した。
ヒョンの驚く顔を、ヒョンの笑う顔を思い浮かべてAを連れて急いだ。
ヒョンはどんな顔をするだろう……。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 640人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「K-POP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
xiulove(プロフ) - この小説が好きです!!!それだけでも伝えたくて… (2019年8月24日 18時) (
レス) id: 855436cca3 (このIDを非表示/違反報告)
xiulove(プロフ) - 返信ありがとうございます。先程も失礼しました。初めて読んだとき、おもいっきりのめり込んでしまいました。それからも急によみたくなり…続きを見つけては読んでという感じでした。無理はしないでください!!!待ってるといいながら矛盾してるかもですが… (2019年8月24日 18時) (レス) id: 855436cca3 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - xiuloveさん» 気が変わったらこのままか更新しますね (2019年8月24日 18時) (レス) id: 46991f216e (このIDを非表示/違反報告)
xiulove(プロフ) - えっ( ・д・)そうなんですか(；ω；) (2019年8月24日 18時) (レス) id: 855436cca3 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - xiuloveさん» ありがとうございます。実は思うところがあり、このまま更新せずに、全部消してしまおうかと悩んでおります (2019年8月17日 19時) (レス) id: 46991f216e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：慧 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/kei3339/
作成日時：2014年5月15日 16時
