妹の帰国〜ヒチョルside〜 ページ4
Aが日本に帰ってからすぐ、悪い知らせが飛び込んできた。
〔日本、巨大地震で壊滅的状況〕
〔死者、行方不明者、数千人規模。〕
国内の新聞、報道番組は連日そのニュースで持ちきりだった。
あいつは無事なのか？被害は東京より北側。
Aに限って…。そんなふうに思っていた。
だが、もしかしてと思い、電話をかけてみる。
繋がらない……。まさか……。
嫌な予感が頭を過る。
連絡が取れない事にイラついていたのは、俺だけじゃない。
ユノなら……。
そう思うと、すぐさまあいつの宿舎に車を走らせた。
ユノは連絡の取れない苛立ちと、彼女の消息が掴めない事で、かなり落ち込み窶れているように見えた。
ヒチョル『Aとの連絡は…？』
黙って首を横に振るユノ。
ヒチョル『大丈夫だよ。あいつは無事だよ。信じよう……。な、ユノ…』
それから、俺達は手を尽くして彼女の行方を探した。
時間ばかり過ぎて、一向にAの消息は掴めなかった。
その後、俺は公益勤務で市役所に配属される。
芸能界から離れた生活を送っているにも係わらず、職場にはしつこくサセンが押しかけて来ていた。通勤の車を追いかけられ、命の危険を何度も味わった。俺は、嫌みを一つ残し一切のSNSを退会した。
どこから漏れたか、いたずら電話もかかってくる。
前ならすぐに番号を変えるのに、いつかAから連絡が入るかもしれないとの思いから、そのままにしていた。
塞ぎ込むユノ。苛立つ自分自身。全ての歯車が狂い出したように感じた。
そんな毎日を送り、１年が経とうとした時にかかって来た電話。
Aの名前が表示されたディスプレイ、その時は珍しく通話ボタンを押した。
ヒチョル『誰？いたずら？知り合いの番号使うなんて悪趣味。』
腹が立っていた。まさかと思った。
A『オッパ…。Aだよ。ごめんなさい、音信不通で……。帰って来たよ。』
それは間違いなくAの声で、俺はユノに連絡する事も忘れ車を飛ばした。
彼女がいると言うホテルの前に車を停める。急ぐ気持ちばかりが先走り、足がもつれそうだった。
俺を見つけると、軽く手を振っている。
紛れもないAだ。その姿を見ると、もう抑えきれなかった。
ヒチョル『バカ。俺がどんなに心配したと思ってんだよ。日本のあんな状況見たら、もう お前はダメだと…。』
それ以上は言葉にならない。とにかくAを抱きしめたまま泣いた。
彼女のぬくもりが、生きている事がただ嬉しかった。
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xiulove(プロフ) - この小説が好きです!!!それだけでも伝えたくて… (2019年8月24日 18時) (
レス) id: 855436cca3 (このIDを非表示/違反報告)
xiulove(プロフ) - 返信ありがとうございます。先程も失礼しました。初めて読んだとき、おもいっきりのめり込んでしまいました。それからも急によみたくなり…続きを見つけては読んでという感じでした。無理はしないでください!!!待ってるといいながら矛盾してるかもですが… (2019年8月24日 18時) (レス) id: 855436cca3 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - xiuloveさん» 気が変わったらこのままか更新しますね (2019年8月24日 18時) (レス) id: 46991f216e (このIDを非表示/違反報告)
xiulove(プロフ) - えっ( ・д・)そうなんですか(；ω；) (2019年8月24日 18時) (レス) id: 855436cca3 (このIDを非表示/違反報告)
慧(プロフ) - xiuloveさん» ありがとうございます。実は思うところがあり、このまま更新せずに、全部消してしまおうかと悩んでおります (2019年8月17日 19時) (レス) id: 46991f216e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：慧 | 作者ホームページ：http://ameblo.jp/kei3339/
作成日時：2014年5月15日 16時
